この学校、変なヤツしかいません。1

#19 不思議な事 ページ19

あの日を境に、わたしはすっかりスンチョル先輩の虜(とりこ)になってしまった。

恋愛的にではないけど、憧れているしすごく尊敬している、もう存在してくれているだけでありがたいと思っているほどに。



「ここ最近、Aの様子がおかしくない？」



小声で噂をしているのは、ミンギュくん。

「キモいの間違いだろ」と悪口を言うジフンくん。

窓から空を眺めては、はあ、とスンチョル先輩を想ってため息をついているわたしの事を気持ち悪がっているらしい。失礼な。

わたしは今、恋する乙女なんだ。とっても可愛いじゃん？

そんな時「やっほ〜」とやってきた、1年生のチェ・ハンソルくん。

浮かれに浮かれまくっているわたしを見て、なにか悟ったらしい。



「ハンソラ。あの子の心読んでよ……」



ミンハオくんは、相手の心を読めるというハンソルくんにそうお願いをする。

彼はわたしの心を読もうとしていたが。



「んんん？ A先輩の心読めませんよ？」



「ええ！？」と驚く一同。

そうだろうね。わたしの相手に対する心の扉の固さはカツオ節よりも固いと言われているからね。

どうやら、わたし以外の人間にはハンソルくんの能力は通用するらしく、わたしにだけ効かないようだ。



「おかしいなあ。超能力には不具合ないと思うんですけど……？」



不思議そうに小首を傾げるハンソルくん。

みんなが「おかしいね」と不思議がっている中、スニョンくんだけは何か心当たりがあると言った表情をしていた。

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