#23 ページ23
『姉ちゃん。僕、将来は看護師になって色んな人の力になりたいんだ』
両親の葬儀を済ませた後、自宅までの帰路の途中でスングァンが真剣な顔でそう言った。
『あの時……お父さんとお母さんを、必死に助けようとしてくれる人たちを見て決めたんだ』
両親が事故に遭い、その知らせを聞いたわたしたちはとある病院に駆けつけた。
そして、両親のために多くの人が動いてくれたその姿に感銘を受けたそうだ。
『グァナは偉いね〜』わしゃわしゃと頭を撫で回した。
『僕、そんなに頭良くないし……。だけど、絶対に患者さんの心に寄り添える看護師になる』
『うん。グァナならできる！』
わたしは彼を抱きしめた。本当に心の優しい弟。世界で一番愛している人。
「グァナ……ごめんね……」
目を覚ますと、見た事のない真っ白な天井が視界に入った。
ここはどこ？ 立ち上がろうとすると、左足に激痛が走って顔を歪めた。
そうだった、アイツに撃たれたんだ……。
でもおかしい。衣服は変わってないけど、撃たれた左脚は治療されているみたいで包帯が巻かれていた。
「気が付いたか」
声がした方を見ると、仏頂面の一重瞼で色白な男が何故か仁王立ちでいた。
拳銃を構えようと、それがあるはずのポケットに手を持って行く。
しかし、あるはずの物がない。
「俺はジフン。この通りだ」
ジフンは警察手帳を見せて、自身の証明をした。
《イ・ジフン》その名前と共にきちんと正装を身にまとった顔。
警察って基本的にスーツや制服で動き回っているのではなく、彼のように近所のコンビニにでも行くようなスウェットを着ている人もいるんだ。
偽造かと疑いつつも見る。
きちんと本物を証明する、光の当たり具合で見える虹色のホログラムが張られている。顔写真もきちんと貼られているし、じっと見てもこちらが言うまで下げないという事は。
「分かった。信用する」
偽造であればこんな風に堂々と警察手帳を見せない。何故ならやましい事がないからだ。
正真正銘の警察。気を失う前に会ったジスも警察だったんだ。
あの時、落ちて死んだと思ったけど、どういった訳か助かってしまったのか。
「お探し物はこれ？」
ジフンは、ジンから奪った拳銃を手にしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々子(プロフ) - 蜜柑さん» コメントありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年8月9日 21時) (
レス) id: 276cf1906f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - わー、このお話ドタイプです、、、続き楽しみにしております！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: fc1cb3405c (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - yuiyui160120さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年8月9日 15時) (レス) id: 276cf1906f (このIDを非表示/違反報告)
yuiyui160120(プロフ) - とても面白くて続きが気になります！更新楽しみにしています！ (2020年8月9日 15時) (レス) id: e8590fba58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜々子
| 作成日時：2020年8月7日 17時
