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銃声が聞こえた。かと思うと、左脚に耐え難い痛みが走り、崩れ落ちるように地面に倒れた。
「ソテイラちゃん……俺たちから逃げちゃうの〜？」
声の主はヴァンテだ。
さっきから気配がないと思っていたら、先回りしていたんだ。
「はは……。しつこい男は嫌われるよ……」
「そうだね。でも、俺はカッコいいから」
「……関係ないね」
彼はゆっくり近づいてくると、傷口をエグるように踏み潰す。
気絶しそうな痛みに顔を歪める。ダメだ。意識を飛ばすな！
「すぐヨくなるよ？」
彼が見せたのは、例の錠剤。この場に及んで試そうとしているらしい。
「君くらいの生意気な子だったら、効果テキメンだね！ 彼がいなくても、君は俺たちの言う事を聞くようになる」
「依存させるのね……」
こういった類のものは厄介だ。更生できたとしても、再犯率70%近くと依存性の高い事を証明している。
そして、コイツらが独自に作った薬だからどうなるのか分からない。
彼は乱暴にわたしの顎を掴むと、錠剤を飲ませようとそれを口元に近づける。
顔を歪め、必死に抵抗するが男の力に敵う程の力を持っておらず、それは簡単に唇に触れた。
「ほら。すーぐヨく……」
その瞬間。わたしは隠し持っていた銃を彼の額につけた。
思わぬ行動に驚いたらしく、彼は目を大きくさせた。
「殺してやる」
「……ペットが、飼い主様にそんな事、していいんだ？」
彼の瞳は光が届かない程に真っ暗で、見つめているとその闇に吸い込まれてしまいそうだ。
恐ろしい。恐怖心が勝ろうとしたが、それは一瞬で消え去った。
「俺を殺したって、この状況は変えられない」
「分かってる。だけど、腹の虫はおさまる」
引き金に指をかける。
人は殺した事はない。だけど、今まで数えきれないほどの罪をおかしてきた。
今更、捕まった後の事を考えなくていい。
罪は罪。それなら、ひとりくらい悪人を殺して死んでやるんだ。
「……Aちゃん。俺は本当に君の事が好きだよ」
この場に及んで、変な事を抜かす。
どうしてそんな悲しい目をするんだろう。ハッとして引き金から指を離そうとした。
情を揺すっているんだ。コイツは見た目に反して
躊躇うな。一発で終わらせろ……！
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菜々子(プロフ) - 蜜柑さん» コメントありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2020年8月9日 21時) (
レス) id: 276cf1906f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - わー、このお話ドタイプです、、、続き楽しみにしております！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: fc1cb3405c (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - yuiyui160120さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年8月9日 15時) (レス) id: 276cf1906f (このIDを非表示/違反報告)
yuiyui160120(プロフ) - とても面白くて続きが気になります！更新楽しみにしています！ (2020年8月9日 15時) (レス) id: e8590fba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々子
| 作成日時：2020年8月7日 17時
