#63 ページ13
「あなたは、裏切り者のAさんじゃないですか〜」
わたしが降りてくると、男性研究員はニヤニヤしながらそう言う。
ジャケットを握りしめる。
「彼は、わたしの父の物です。父の許可なしでは、お渡しできません」
「いいえ。彼は国の物です。所長に許可なんていらないんですよ。国が許可すれば、彼をこちらに戻す事は可能なんです」
「あなたは、彼が軍に行ったらどうなるのか、ご存知なのですか？」
「ええ。我が国を守るためには、彼が必要なんです」
「……拒否をしたら、どうしますか？」
不安で、手が震える。
「彼の事は諦めて、あなたに実験台になってもらいます」
その瞬間、研究員が銃をわたしに向けた。
なるほど……父の友人のように、無理矢理でも実験をさせるのね。
「彼を自由にしてくれるのなら、いいですよ」
彼のためなら、わたしは自分を犠牲にできる。
ミンギュが、せっかく手に入れた自由をそう簡単に手放させるものか。
彼はアンドロイドなんだ。
きっと、わたしの事なんてただ自分の主人としか思っていない。
わたしの事なんて忘れて、自由に生きてくれたら。
それが、父の願いでもあるんだから。
「じゃあ、そうなってもらおう」
わたしは覚悟をして目を閉じた。
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ミサキ(プロフ) - 号泣しました(´；Д；`) (2019年12月21日 20時) (
レス) id: 1d417b36ff (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - Na Haさん» コメントありがとうございます！最後まで読んでくださり、ありがとうございます(^^) (2019年6月1日 0時) (レス) id: f3aae75fb3 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ha(プロフ) - すみません、誤字りました（笑）忙しい中です。 (2019年6月1日 0時) (レス) id: bf83d3045c (このIDを非表示/違反報告)
Na Ha(プロフ) - お話ほんとに良かったです！泣きました（泣）忙し中、更新頑張ってくれてありがとう御座いました！ (2019年6月1日 0時) (レス) id: bf83d3045c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々子
| 作成日時：2019年5月27日 13時
