#140 職員の記録�� ページ40
「ん……？」目を覚ますと、見覚えのある場所にいた。
……わたしが、財団に連れ去られた時に来た場所だ。
ハッとして目を大きくさせ、体を動かそうとしたが出来なかった。
上半身が、椅子の背もたれごと、麻紐で締め付けられている。
「A博士。ごきげんよう」
目の前にいるのは、ソクジンさんだった。
あの時……初めてここに来た事を思い出し、恐怖を感じた。
「ミンギュから聞いたんだ。君が、財団を抜けようとしているって」
「な、何の事です……？」
どうしてミンギュの事が？ そう思った刹那、常に胸ポケットに入れているスマホの存在を思い出した。
もしかしたら、彼がミンギョンとの会話を聞いていた可能性がある。そして、わたしが財団を辞めてしまう事を危惧してソクジンさんに連絡を入れたのだ。
確かにそう思った。一瞬だけ、一般人に戻って平凡な生活を送れたらいいな、と思った。だけど、抜けようだなんて思ってもいない。
「君は、財団にいなくてはいけない人材だと、分かっているよね？」
「……それは、自分では分かりません」
「正直、借金を返済し終えたら君を処分しようと思っていた」
目を大きくさせて驚いた。
死ぬ事は無い、みんな口を揃えて言っていたのに。嘘をついていた。
いや、それを信じていたわたしがおかしかったのだ。
ここは、嘘なんてあたりまえじゃない。実験で、人を平気で殺すような狂っている場所なんだから。
「でも考えが変わった。君は、SVTを抑え込む能力を持っている事が分かったからだよ。Sクラス職員もKeterクラスのSVTを抑え込む事が出来るが、かなり骨が折れる事だ。しかし、君は彼らの前にいるだけで、対象を抑え込むことが出来る。その証拠に、君は数々の危機を救ってきた」
「わたしはただ……ここの職員としての業務を全うしただけです」
「でも君は、一瞬だけでも一般人に戻りたいと感じた。ああ、我々は失敗していたんだ」
残念そうにため息をつくソクジンさん。
一体何が言いたいのだろうか。
「君を、完全に洗脳させる事にね」
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ハユン(プロフ) - とても素敵な作品なので、いつも更新を楽しみにしていました！番外編も気になります！これからも応援しています！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: cedab10ae6 (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ゆみんさん» コメントありがとうございます！返信遅れてすみません(･･;)これからも更新頑張ります！ありがとうございます(*'▽'*) (2020年10月14日 19時) (レス) id: 8094e33bac (このIDを非表示/違反報告)
ゆみん(プロフ) - 菜々子さん初めまして。いつも楽しみにしています。btsとsvtをうまく取り入れていて、読んでいて飽きません。これからも応援しています。 (2020年10月11日 14時) (レス) id: 158a35186c (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ちゃこさん» コメントありがとうございます!返事遅れてすみません･･･ジュンフィくんは妖精にすると決めていたんです^^更新頑張ります！ (2020年9月28日 21時) (レス) id: 276cf1906f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ(プロフ) - 占ツクにはなかなかない感じの作品でとっっっても面白いです！妖精むんじゅにがかわいくてかわいくて、、、次の更新も楽しみにしてます！ (2020年9月25日 20時) (レス) id: fb7037f466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々子
| 作成日時：2020年9月8日 23時
