クズは一途でもお断り［MINGYU］ (ページ8)

今日:205 hit、昨日:328 hit、合計:204,418 hit

8 - MG ページ8

MG side

Aから打ち上げに行く宣言をされてから、俺は気が気じゃなかった。
だって、元々お酒に強くないのに、俺がいないところでお酒を飲むなんて言い出すから。
しかも、会社で常々噂されているウォヌヒョンが一緒だなんて、危険すぎる。
それに、酔ったAはさらに危険だということを、俺は知っている。
酔った勢いでそのまま持ち帰られるとか、嫌だ。

俺だってまだ、Aに触れたことないのに。

昔から一緒に育った幼馴染のAは、俺の初恋で、ずっと変わらず好きな人だ。
でもAは俺のことを好きじゃない。
むしろ嫌われていると思う。
それは、俺がクズになってしまったから。
俺はただ、Aに嫉妬して欲しかった。
私だけを見てよって、そう言って欲しかったんだけど…
言ってくれるんじゃないかって勝手に期待して、行動に移しちゃった俺がバカだった。
あの時のAは、軽蔑したような目で俺を見ていた。

それから俺はAのことを忘れようとクズまっしぐら。
でも忘れることなんてできないし、クズでいることを取り消すこともできなくて、今もずっとクズな俺でいる。
就職したら離れ離れになると思っていたし、そうなったらそのまま疎遠になるんだろうなって思っていた矢先、Aのプモニム(両親)から、俺とAの同居を提案されたときはチャンスが巡ってきたんだと思って即OKした。

でも相変わらずのクズっぷりはなかなか直せなくて、今もAからはクズ認定されている。
俺はいつのまにか、クズだと思われてないと逆に不安というか、Aが離れていっちゃうんじゃないかと思ってしまうようになっていた。
だから俺はクズで居続けようと思ったのに。

打ち上げでAが俺以外の誰かのものになるんじゃないか、なんて確証もない不安が押し寄せる。
そんなの絶対に嫌だ。
なんとしてもそれだけは阻止したい。
俺はAのチームのチーム長に頼み込んで、打ち上げに参加する許可を得た。
これで、Aのことを誰かに持ち帰られる心配は無くなった。
その時の俺はまだ、安心しきっていた。