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定時を迎え、帰る準備を始めたウォヌ先輩を引き止めた。
A「先輩、私今日家に帰ります」
WN「そう…わかった」
A「すみません、ありがとうございます」
突然申し出た私に少し微笑みかけてくれたウォヌ先輩はオフィスを出て帰って行った。
こんなに長い間家に帰らなかったのは初めてだな、としみじみ思いながら帰る支度を済ませ、オフィスを出ようとすると、後ろから腕を掴まれた。
MG「A、一緒に帰ろう」
A「うん」
久しぶりにミンギュと並んで歩く。
並んで歩いているだけなのに緊張するのは、きっとこの状況が久しぶりだからだ。
「「あの、」」
沈黙を破ろうと口を開くと、また私たちの声が重なる。
先にいいよ、と言われ、私はずっと言えなかったことを話した。
A「ミンギュ、ごめんなさい」
MG「え、なんでAが謝るの」
A「ミョンホから聞いたの。あの名刺のこと」
MG「……」
A「何も知らないのにあんな酷いこと言って、本当にごめん」
あの日は接待で、ミンギュ、ミョンホはチームの方と、取引先のお偉いさんと風俗のお店に行ったらしい。
ミンギュが名刺を受け取らず全部断ったから、トイレに行ってる間に風俗嬢がミンギュのジャケットに忍び込ませたんだ、って。
そしてあの日朝に帰ってきたのは、飲まされすぎたミョンホを介抱するために家に泊まったからだった。
ミョンホはすぐに本当のことを教えてくれたのに。
A「話すのが遅くなって本当にごめん」
MG「謝らないで。普段から勘違いさせるようなことしてたし、Aに連絡しなかったから……俺の方こそ本当にごめん」
私が傷付けたのに、そう言ってくれるミンギュの優しさに、余計に胸が痛くなる。
どうしてミンギュのことを信じられなかったのか、私は大きく後悔した。
A「私、本当は嫌だったの。昔からずっと、ミンギュが女の子と一緒にいるのを見るのが、ただ辛かった」
MG「……」
A「私はミンギュのことが……」
" ずっと前から好きだから "
私がその言葉を発する前に、ミンギュが私を強く抱きしめた。
MG「ずっと待たせてごめん。初めからこうしてればよかったのに」
A「ううん、私が素直になれなかったから…」
MG「ずっと前からAが好きだよ」
A「私も、ミンギュが好き」
私を抱きしめる腕を解いたミンギュ。
恥ずかしくてミンギュの顔を見れずにいると、私の顔を覗き込んできたミンギュは、優しく私の唇に触れた。
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作者名：ｻｸｻｸﾊﾟﾝﾀﾞ | 作成日時：2024年3月6日 18時
