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必要なものを買い終え、チャニのカフェに行ってコーヒーでも飲もうかという話になり、店に入る。
そこにいたのは、
A「……ミンギュ」
MG「………」
DN「2人ともいらっしゃい〜」
A「なんで、」
WN「俺が教えた」
A「え」
WN「お前は大事な俺の後輩だから」
そのままの流れで私たちはミンギュの前に座る。
チャニはコーヒーを淹れに行った。
しばらく誰も何も言わず、ただ沈黙が流れる。
俯いたままのミンギュとは目も合わないし。
A「帰りましょう、ウォヌ先輩」
MG「えっ」
A「チャニのコーヒーが飲めないのは残念だけど、ここにいても無駄な時間が流れるだけです」
MG「A、」
A「あぁ、これを取り返しに来たの？」
私は朝からずっとポケットに入れっぱなしになっていたカードをテーブルに置いた。
香水の匂いが漂う、派手なデザインの名刺。
いわゆる風俗嬢の名刺だ。
A「これがないとお店に入れないんでしょ？ごめんね、持ったまま外に出て」
MG「ちが、」
A「別にミンギュが何しようが私には関係のないことだし、私がどこに行こうがミンギュには関係のないことだよね。だって私たちって、ただの幼馴染だし」
MG「Aは俺のことずっと、ただの幼馴染だと思ってたの？」
A「……」
MG「俺は、Aが好きだよ」
ミンギュのその言葉を聞いて、私の中で何かがプツンと切れたような感覚があった。
あ、ダメだ。
これ以上口を開いたらダメだということは、頭の中で理解している。
それなのに、勢い付いた私の口は止まらない。
A「私だってミンギュが好きだった。でもそれは、ミンギュが約束を守れない嘘つきだとは知らなかったからだよ」
MG「……」
A「女たらしなクズを好きになった自覚はあるけど、約束を守れない嘘つきを好きになった覚えはない」
ミンギュは何も喋らず、今までに見たことがないくらい悲しそうな顔をしている。
違う。
私はただ悲しかっただけで、ミンギュを傷付けたいわけじゃないのに。
それなのに私の口は本当に止まることを知らず話し続ける。
A「私はミンギュのことが……」
その言葉を言ってしまう前に、誰か、誰か私を止めて。
A「ミンギュのことが、」
" 大嫌い "。
私がその言葉を発する直前、ウォヌ先輩が横から私の手を引いて立ち上がり、そのまま私たちは店を出た。
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作者名：ｻｸｻｸﾊﾟﾝﾀﾞ | 作成日時：2024年3月6日 18時
