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寝床は見つかったけど、生活に必要なものは何も持ち合わせていない。
取りには帰りたくないしなぁ…
幸い、仕事に行くって言って家を出たから仕事に必要なものはあるし、外で調達してこようか。
そう思ってバッグから財布を出そうとした時だった。
財布の横に入れていたスマホが鳴っているのに気付き、画面を見ると尋常じゃない量の不在着信とメッセージが届いていた。
ミンギュだ。
鳴り続けているスマホを操作し、電話に出る。
A「…もしもし」
MG『やっと繋がった！会社に行ってもいないし、A今どこに、』
A「どこでもいいでしょ、ミンギュには関係ない」
MG『……そう、だね』
A「私、しばらく家には帰らないから」
MG『帰らないって、どこで過ごすの』
A「だからミンギュには、あっ」
WN「俺と一緒だから心配しなくていいよ、ミンギュ」
MG『え、ちょっと、この声って、』
突然私からスマホを取り上げて電話を切るウォヌ先輩。
WN「かなり心配してるみたいだよ？」
A「そうですか？私がどこにいようと彼には関係ないので」
WN「ふーん。じゃ、買い物行こう」
A「え？」
WN「あれ、違った？財布持ってたから買い物行くんだと思ったんだけど？」
A「いや、それは合ってますけど……一緒に？」
WN「車出すから早く」
そう言ってチャラチャラと車のキーを見せてくれる。
本当に至れり尽くせりで、ありがたい反面すごく申し訳ない。
でも今は、ありがたく先輩に甘えさせてもらうことにした。
先輩が運転する車に乗るのは初めてじゃないけど、プライベートでは初めてだからか、いつもより緊張する。
しばらく車に揺られているとショッピングモールに着いた。
なるほど、ここならなんでも揃うな。
ウォヌ先輩と並んでいろんなお店を見て回る。
なんだかこれって、
WN「デートみたいだね？笑」
A「え、え、なんで、」
WN「なんでわかったのかって？Aならそんなこと言いそうだなって笑」
フッと笑って再び前を向いて歩き出すウォヌ先輩。
思考をバッチリ当てられて、すごく恥ずかしかった。
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作者名：ｻｸｻｸﾊﾟﾝﾀﾞ | 作成日時：2024年3月6日 18時
