クズは一途でもお断り［MINGYU］ (ページ38)

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WN「仕事しに来たの？」

ウォヌ先輩は私の方を振り向くことなく、パソコンを触りながらそう言った。
そうだ、会社に来たなら仕事をしなきゃ。
今の私にはそれしかない。
そうするしか、気を紛らわせない。

A「昨日の残業で終わらせられなくて」
WN「あー、珍しく残業してたな」
A「そうなんです」

嘘だ。私は昨日、ちゃんと全て終わらせてから帰った。
終わっていない仕事なんてない。
あ、昨日急いでまとめた企画書をもう一度見直そう。
手直しする時間ができたし。

A「ところで、どうしてウォヌ先輩がいるんですか？」
WN「仕事しに来たに決まってるだろ」
A「でも昨日すぐ帰ったじゃないですか」
WN「やり残したことがあることに気付いたから、週が明ける前に来たんだよ」
A「そうですか…」
WN「ていうかAこそ、仕事しに来たんじゃないでしょ」
A「え」
WN「本当は昨日全部終わってるはずだ。全部俺に提出されてる」

バレてる…
嘘が下手すぎたのか、この人が鋭すぎるのか、その両方かもしれないけれど…
バレているならこれ以上隠すことはできない。
私は昨日の残業終わりから今朝の出来事を話した。

WN「つまり、会社に逃げてきたんだ？」
A「……」
WN「図星で何も言い返せない？」

ウォヌ先輩の言う通り、私は逃げた。
現実を認めたくなくて、目を逸らしたくて、逃げたんだ。
ミンギュがクズである事実は今更変わらないのに。