クズは一途でもお断り［MINGYU］ (ページ18)

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今日もやっぱりミンギュは帰ってこない。
静かなキッチンで、私は夕飯の準備を始めた。
ミンギュが作っておいてくれたストックも、そろそろ底を尽きそうだ。

A「はぁ…静かだなぁ…」

誰もいない部屋で呟くと、私の声は跳ね返ることなく薄っすらと消えていった。
今までミンギュが帰ってこない日はあまりなくて、家の中がこんなに静かなのは、今回が初めてだった。
相手がどれだけクズでもムカつく奴でも、たった数日いないだけでこんなに心細いなんて。
さっきまでイライラしていたのが途端に、寂しさに変わる。
あの時本当に一人暮らしを始めていたら、今頃私はやっていけてたのかな…

夕飯の準備を終え、1人分の夕食をテーブルに並べる。
いつも目の前の席に座っていたミンギュはいない。
いただきますと言って、夕食に手をつけた。
いつもなら美味しいはずの夕食も、なんだか味がしない。
今までだって1人でご飯を食べることはあったけど、帰ってくるってわかってるのと絶対に帰ってこないのじゃ全然違うんだね…
私はミンギュがいなくなってからたった数日でたくさんのことを学んだ。

夕飯は先に帰ってきた方が作ることになっているけど、朝はいつもミンギュが作ってくれてて、私が朝の準備をゆっくりできていたのはミンギュがご飯を作ってくれたから。
私が夜更かしせずにお風呂に入っていたのはミンギュがいつも時間通りに声をかけてくれてたから。
部屋がいつも綺麗に保たれていたのも、ミンギュが知らないうちに掃除してくれていたからだ。
ゴミ捨ての仕方すらわからないせいで、ゴミ箱はゴミだらけのまま。
ミンギュは私が気付かない間にも、生活力のない私をずっと支えてくれていたんだ。
それから、ミンギュが自分の部屋に篭らずリビングにいてくれたから、私は寂しい思いをしなくて済んだんだということも、ミンギュがいなくなって初めて知った。
私って自分が思ってるよりだいぶ寂しがりなんだな…

ミンギュは今頃どうしているだろうか。
どうせ女の家で私の知らない女とイチャイチャしてるんだろうな。
私にはミンギュしかいないって、私は心の底から痛感してるのに。
考えただけでイライラしてくる。
でも、それがなんだか悔しくて、悲しくて、寂しかった。