クズは一途でもお断り［MINGYU］ (ページ16)

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MG「ばか」
A「……はあ〜！？」

ミンギュが、ミンギュが私に、キス、した！？
はあ！？ありえない！！なんなの！？
その上「ばか」とか、どっちが！？
本当に今日のミンギュは変、おかしい、意味がわからない。

私は混乱したままの頭で自分の部屋に直行する。
何がしたいの？女だったら誰でもいいの？
そう考えてしまう自分にもなんだか腹が立つ。
はぁぁぁ…最悪だ、何もやる気が起きない。
特にやることはないんだけどさ…
そういえばお昼ご飯食べてないんだっけ？
あーでも動くの面倒だし、別にお腹空いてないし。
今度こそ寝る？
いや、こんな状態で眠れるわけない。
考えれば考えるほど迷宮入りするのはさっきので十分理解したし…
どうしようか真剣に考えていると、朝と違って今度はコンコン、とドアをノックされ、ミンギュがゆっくりとドアを開けた。
でも中には入ってこない。
なぜか、隠れるようにしてドアの前で用件を話し始めた。
がっしりした大男がちょこんとしてる、変なの。

MG「あの……俺しばらく帰らないから。ご飯もいらない」
A「え？」
MG「数日分のご飯冷蔵庫にあるから好きに食べて。俺の分は残さなくていいからね」
A「え、ちょっと、」
MG「それじゃ、また会社で」

開けたドアの向こうで早口になりながらそう言ったミンギュは、バタンと私の部屋のドアを閉じてそそくさと家を出て行った。
えっと、これって……家出？
さっきの今で余計に頭が混乱する。
ちょっと、さすがに自分勝手すぎるんじゃない？
いきなりキスしておいてなんの説明もないし、突然家出するなんて。
でもやっぱりミンギュの勝手さに腹が立ってくる。
その反面、らしくないミンギュが心配にもなる。
怒るべきなのか泣くべきなのか、それとも追いかけるべきなのか、私は完全に迷子状態。
まぁ…多分なんとかなるよね……？

だがこの日を境に、ミンギュは宣言通り、数日間本当に帰ってこなくなった。