検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:24,178 hit

#26ジョンハン ページ26

「あ、ソラ」

「ひとりで行動しないでって、言ったじゃないですか!」



珍しく大声で俺を叱る彼女。

思わず驚いていると、ソラはハッと我に返った。



「すみません。大声を出したりして……」

「ううん。俺が悪かった。単独行動は禁止されているのに」

「……なんで単独行動をしたんですか」




俺に懐中電灯を持たせながら、彼女は問いかけた。



「コレ、探してたんだ」



ブレスレットを明かりに照らして見せる。



「妹とお揃いなんだ。コレは命よりも大事で……ごめん」

「……そうですか」



俺は彼女の後ろをついて行く。

そういえば、彼女は何歳なんだろう。

妹が生きていたら、同じくらいかな。

その時、彼女が歩みを止めた。



「どうしたの?」

「シャドウがいます。……しかも、はるかに予想を超えた数」

「え……」

「どうやらこの島には、シャドウの巣窟があったようですね。向こうにはジョシュアさんたちがいるので大丈夫かと思いますが、こちらは太刀打ちできなさそうです」

「……俺が単独行動したせいで」

「いいえ。わたしの力不足です。……仕方ない」



Aは深く呼吸を吸い込むと、俺を肩に担ぎあげた。




「ソラ!?」

「少し我慢してください」



かと思えば、急に走り出した。

とんでもない速さだ。口を開ければ舌を噛んでしまいそう。

振り返ってみたいけど、そうしなくても分かるくらい大量の足音が聞こえる。

シャドウが追いかけてきているんだ。

大人ひとり……しかも、成人男性を抱えてこんなにも早く走れるだなんて。

この間、俺は何もできないために彼女にされるがままだ。

しかし。

急に足を止めたソラ。

ふと顔を上げてみると、崖の先で、下は海だ。




「ソラ。お前泳げないだろ」

「……なんとかなりますよ」




彼女はじっと海を見つめ、それから背後を見る。

ひとつ頷くと、彼女は。



「できるだけ息を吸ってください」

「え……!? 飛び込むのかよ!」

「吸わないと死にますよ」

「わ、分かった……」



俺は大きく息を吸うのと同時に、彼女は崖の下へと飛び降りた。

#27ジョンハン→←#25ジョンハン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , ジョンハン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菜々子 | 作成日時:2022年11月22日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。