白昼夢は闇を見せない (ページ14)

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#14ジョンハンページ14

何を言ってるんだコイツは……！

スタッフを犠牲にして俺を助けるつもりなのか。

そんなことあってたまるかよ。

「その前にお前の首が飛ぶ」

ソラがそう宣言した直後、シャドウに取り憑かれた女性の首元から刃が突き出た。

力なく倒れそうになる彼女を、地面と接触する前にソラが受け止めて、ゆっくりと寝かせる。

え……？何が起こった？

一瞬のことで何が起こったのか理解できず、その場で硬直してしまう。

「助かったよ、エイト」

ソラが誰かを呼ぶ。

そして、舞台袖から現れたのは長身の美男子だ。

手にはいくつも手のひらサイズの小型ナイフを持っていた。

彼が……あの子を仕留めたのか。

「シャドウが人に取り憑いてたんだ？」

「うん。初めて見たけど……多分まだいるよ。今から探してくる。エイト、見回りをお願い」

エイトと呼ばれた彼は小さく頷くと、俺をいちべつし、舞台袖へと走って行った。

ソラは倒れた彼女を、救護班のスタッフに引き渡した後、俺へと近づいてくる。

「お怪我はありませんか？」

「俺は大丈夫。君は？」

「……それなら良かった」

相変わらず俺と会話をしてくれなさそうなソラ。

「シャドウって、単独行動じゃなかったのか？」

「基本的にはそうです。……人に取り憑いていたのは初めて見ましたがね」

「あ……さっきはありがとう。助かったよ」

「いえ。仕事なので当然です」

少しも笑わず、冷静に言う彼女。

なんか、少し寂しい気持ちになってしまった。