#22ジョンハン ページ22
数日後。
俺たちはとあるバラエティ番組の収録のため、無人島を訪れていた。
そこで俺らはミッションをクリアしながら、自分たちだけの楽園作りをするという企画を行う。
スタッフの方が収録のために準備をしている間、俺たちの護衛がひとり増えた。
「ジュンです。よろしくお願いいたします」
エイトさんとは違った系統の美男子。
彼はエイトと違って愛想も良かったし、社交性がありそうだ。
「今回は規模が大きいから、僕も来たよ」
笑顔のジョシュアさん。と、ずっと無言のエイトさんとソラ。
人数が多いからシャドウの心配はなさそうだけど、2人は何故か緊張しているようだ。
「2人は人が多い場所が苦手なんだよ。加えて逃げ場がないとね」
と、ジュンさんは教えてくれた。
ソラはカナヅチなので水場が苦手らしく、海が見える場所は嫌いらしい。
ということは、この場所は最悪ってことか……。
だから、ソラはずっと緊張してるんだな。
「ソラ以外は海、平気だからもし溺れても助けに行けるよ。ちなみに僕は35分くらい潜水できますっ」
「すご。それって鍛えたら誰でも出来るの？」
「出来ない。体に
「え？ 何それ」
「企業秘密！ その代わりどこか体が壊れちゃうんだけどね」
「そうなんだ。……なんか変なこと聞いてごめん」
「んーん。僕はそういう話、隠さない派だから。ちなみに犠牲にしたのは脚力。100m走は3分23秒！」
「おそ！」
俺たちの年代だと、15秒くらいが平均だ。
「これは僕の弱点だからね。誰にも言わないでね？」
「言うつもりないよ。代償がデカ過ぎるな」
「みんな弱点をそれ以外で補ってるんだ。言っておくけどシャドウを殺し損ねたことはないよ」
「うん。そこは信用してる」
何かしらの代償を背負って、俺たちを守ってくれているんだな。
それくらいしないと、倒せないシャドウって一体……。
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作者名：菜々子
| 作成日時：2022年11月22日 19時
