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「と、突然なに!?」
「あはは。そんなに動揺しなくたっていいじゃない?」
ジニちゃんはわたしをからかうのが楽しいらしい。
わたしは「もう」と息を吐いた。
「あの時、Aちゃんの仕事仲間がいたじゃない? ちょっとしか見れなかったけど、カッコいい人たちばかりだったよね。特に、一番背の高くて笑うと八重歯の見える人」
多分、ミンギュさんの事を言っているのだと思う。
あの人は、誰かを魅了する容姿を持っていて、それを自分でも自覚している。
任務する上で便利な時もあるけど、女グセの悪さから時に振り回される事もあるけど。
「あの人は……ナシ」
「そうなの? カッコいいのに」
不思議そうな顔をするジニちゃん。
彼の本当の顔を知らないから、そう思うのだろう。
「カッコいいからって、いいものじゃないよ」
「そうだね。Aちゃんはあの中で誰がいいな、と思ってるの?」
そう尋ねられると困ってしまう。
ただの仕事仲間だから、恋愛とかそういうのは考えた事がない。
だいたい、あのハイスペック集団に見合う程の価値はわたしにはないと思う。
「ただの同僚だよ。そんな事、考えられない」
「そっか。でも、いつかAちゃんにも好きな人が出来たらいいなあ」
ジニちゃんはテーブルに肘をついて組んだ手の上に、自分の顎を乗せた。
きっと、もっと恋バナのような話をしたかったんだろう。
「……そう言うジニちゃんはどうなの?」
「わたし?」とジニちゃんは待ってましたといわんばかりの表情で、わたしに喜々として話してくれた。
今、ジニちゃんは好きな人がいて絶賛猛アタック中なのだと。
でも、兄のジスさんにそれを知られると面倒になるらしい。
どうしてなのか、それを訪ねると。
「お兄ちゃん。わたしの好きな人に意地悪しちゃうの。それで、みんな離れていっちゃって……」
悲しそうな表情をする彼女。
わたしは苦笑いをする。
多分、ジスさんもかなりのシスコンだ。
「……今度は上手くいくよ。わたしが邪魔をさせないから」
「ありがとう。Aちゃんがいると思うと、すごく心強いよ」
あの最恐(最強)のジスさんに敵うのかはさておき。
可愛い顔をして笑顔で好きな人の事をどんどん話してくれるジニちゃん。
日が暮れるまで、その話に付き合っていた。
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ははは - 武力ww主人公のキャラ好きすぎる (2020年10月22日 5時) (レス) id: 33eccdc675 (このIDを非表示/違反報告)
ははは - 質問なのですが美容整形されたミンヒョンの偽物はなぜ後からピアスを空けられたのでしょう?それに意味はありますか? (2020年10月22日 5時) (レス) id: 33eccdc675 (このIDを非表示/違反報告)
海老名(プロフ) - お疲れ様です!本当に面白くて楽しい作品でした!ありがとうございます(^^) (2019年10月30日 17時) (レス) id: 0c31ff7cb3 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - はじめまして、昨日見つけてから一気に最後まで読んでしまいました!このような戦闘系?のお話個人的に大好きで笑、俺を撃って行け、も含めすごく面白かったし引き込まれました。完結お疲れ様です!! (2019年9月23日 16時) (レス) id: 1c5d07486a (このIDを非表示/違反報告)
菜々子(プロフ) - ぶーちゃんペンさん» コメントありがとうございます!返信遅くなってすみません…ありがとうございます!そう言っていただけて、光栄です! (2019年9月21日 0時) (レス) id: 0d283c778c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年9月8日 3時