スパイになれなんて聞いてません！

#17 ページ17

「みんなが揃った所で、今回の訓練の説明をします！」



作戦班のソクミンさんが言う。

どうやら作戦班のソクミンさんとスングァンさんがこの訓練を取り仕切るらしい。

そして、司令塔のスンチョルさんはどこかでわたしたちを見ている、と。

この部屋の、とスングァンさんは扉を指した。



「どこかにある時限爆弾を処理してください」



爆弾……！？

本物の？

驚いたわたしは周囲を見回すけど、誰ひとりと表情を変えずに頷いている。

こんな訓練は慣れっこなの？



「僕たちが手と足(・・・)で爆弾を見つけるんだ」



小声で教えてくれるジュンフィさん。



「手と足？」

「そう。時限爆弾は踏んでもすぐに爆発しないんだ。壁や床に隠されてる物を僕たちが手と足(・・・)を使って探す。簡単な事だよ」



なにか問題でも？ といった表情をするジュンフィさん。

いや、問題大ありですけど。



「まあ、たまに地雷が混じってるし、時間の進みが異常に早い時限爆弾もあるから、そこだけ気をつけたらいいよ！ ちなみに爆弾は本物だからね！」



頑張ろうね〜、と笑顔でわたしの肩を叩くジュンフィさん。

わたしは開いた口が閉じなかった。

つまり……訓練で死ぬかもしれないよ☆って事！？

血の気が引いてきて、変な汗が吹き出る。

そんなの、スンチョルさんから聞いてないし……。

今すぐ逃げ出したい。

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