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_____Side
「こりゃ、酷いな……」
俺は目の前に広げられた光景に、顔を歪める。
今朝、この学校から通報が入った。
授業準備室で3名の生徒が血まみれで倒れている、と。
駆けつけると、女子生徒1名は喉を刃物かなにか鋭利なもので突き刺されていて出血多量で死亡。
男子生徒2名のうち1名はもう1名に殺されたのか、抵抗した後があって心臓をひと突き。
その男子生徒はその後、倒れている女子生徒と寄り添うように倒れて喉元を自らナイフで引き裂いていた。
この学校の教師に話を聞くと、昨日この教室を使っていたのはホン・ジスという名の教育実習生だったのだが、今朝から電話が繋がらない、と。
こちらもジスさんに話を聞こうと電話をかけてみたが、電話番号を変更されているのか繋がらなかった。
彼がなにかを知っているはずだとし、我々警察は彼の行方を追う事になった。
一週間後。
とある空き家から異臭がする、との近所の住民の通報により駆けつけると、そこのリビングで綺麗な顔をした遺体がリビングの床に倒れていた。
調べると、遺体はホン・ジスという事が判明し、この空き家は以前彼が、彼の家族が住んでいた家だった。
彼の死因は、睡眠薬の過剰摂取。
調べてみると死後5日程、経っていたそうだ。
どうした事か、彼の表情はどこか穏やかであった。
彼を探している間、彼の事を調べると、先週教室内で亡くなった女子生徒、Aさんはジスさんの家族を殺害した事件の犯人の娘である事が判明した。
きっと、彼は彼女に対しての復讐をやり遂げたのだろう。
だから、こうして穏やかな表情を浮かべているのかもしれない。
死人に口なし。今となっては二度とその事を訊くことはできない。
僕は憎い君のおかげで家族に会える。
そう書いてある手紙が、どこかに隠されているとは知らず、俺はその部屋から出た。
END
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年11月26日 20時