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ウォヌSide
Aさんは、上手く俺にミンギュの陰湿ないじめをされている事を隠しているようだったけど、本当は気づいていた。
彼女はすぐに相談してくれると思ったけど、俺の前では平気そうな顔をしていたから、痺れを切らした俺はとうとうミンギュに直接訪ねた。
しかし、彼は「なに言ってんだ」と言った顔をする。
「俺、なにもしてないけど」
「嘘言うな。机にゴミを入れたり、陰湿な事をしてるじゃないか」
「マジでしてない。だいたい、なんでアイツをいじめなきゃなんねーの?」
本当に心当たりがないのか、ミンギュは不機嫌な顔をする。
しらばっくれるつもりか。
コイツの根性は本当に腐っているな、と俺は怒りを感じた。
これ以上は話にならないと思い、俺は「分かった」と言って彼から離れた。
それなら、俺にも考えがある。
放課後。
教室に誰もいない事を確認すると、室内に入る。
クラスメイトが使うロッカーの上には本がいくつか置いてあり、手をつけられていないからか、ページには埃が被ってあった。
俺はカバンから本の形をした隠しカメラを、元々あった本と本の間に差し込んだ。
これは本の背の部分が目立たないよう、小さな穴が開いていてそこにカメラが組み込まれている。
それに、カメラの映像はネットを経由してスマホにも保存されるので、万が一バレて壊されてもスマホに保存されるので証拠隠滅の心配はない。
これも、彼女のためだ。
ミンギュのヤツを今度こそ懲らしめてやる。
スマホで映像が録画されているのかを確認すると、俺は教室を出て行った。
明日になれば、本当の犯人が分かるはずだ。
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年11月26日 20時