教育実習生のジス先生 (ページ3)

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その事実を知ったのは、中学2年生の頃だった。

祖母が外出している間、急に両親はどのような人だったのだろう、と気になって祖母のクローゼットでアルバムを探していた時。

アルバムの背表紙に、とある新聞の一面が挟み込まれていた。

何気なく見ると、“……一家殺人事件解決。犯人は死刑に……”との文と共に犯人である男の顔写真も載っていた。

どうしてこんな悲惨な記事が、アルバムの中に？

疑問に思いながらもページを捲ると、貼られていた写真を見たわたしは、衝撃のあまり時が止まったと錯覚した。

先程の犯人の顔写真の男が、赤ん坊を抱えて笑っていたのだ。

この赤ん坊は、わたしで間違いなかった。

何故なら、赤ん坊が身につけている小さな赤い手袋……これは祖母が手編みで編んでくれたもので、写真に写っている赤ん坊にもそれが身につけられていたからだ。

わたしはこの男の娘……つまり、犯罪者の娘。

記事は17年前のもので、ちょうどわたしが産まれた時だ。

産まれた頃から両親がいなかったのは、そのせいだったの？

母は、犯罪者の父に嫌気がさして、まだ幼すぎるわたしを置いて出て行ってしまったのだろうか。

「あぁ……」

理解しがたい現実に、わたしはアルバムを手にしたまま気を失った。

このショックな出来事は、脳が消去すべき記憶として判断したらしく、今の今まで忘れていたのだ。

でも……どうしてミンギュがこの事を知っているのだろう。