教育実習生のジス先生 (ページ20)

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ウォヌSide

この時間帯になれば、Aさんが登校してくるはずなのに、朝のホームルームの時間になっても彼女は来なかった。

ヒョンジン先生が言うには、彼女は風邪を引いたので休みだ、と。

もしかして、とミンギュを見るとアイツはあくびをして気にも留めてない様子だった。

心配だった俺は、見舞いも兼ねて様子を見に行こうと思った。

放課後になると、彼女の自宅へと向かおうとしたが、肝心の住所を知らなかった。

職員室に行くと、ヒョンジン先生は顧問をしているバスケ部の方へと行っているらしく、代わりにジス先生が対応してくれた。

彼女のお見舞いに行きたいので住所を教えてほしい、との旨を伝えると。

「君は優しいね。僕も彼女の事が心配だから、一緒について行ってあげるよ」

わざわざジス先生は一緒についてきてくれた。

徒歩で彼女の自宅に向かい、チャイムを鳴らすと少ししてからマスク姿の彼女が現れた。

「お休みのところすまないね。具合はどうかな？」

先生が言うと、彼女は顔を俯かせて小さく頷く。

表情はキツそうだが、体調不良からなのか、アイツのせいなのか分からない。

問いただそうと思ったが、今は先生がいるから訊く事はできない。

「授業のプリント」

俺がそれを差し出すと、ありがとう、と彼女は小さく言って受け取ってくれた。

お大事に、と俺たちは彼女の元から去った。

そのまま帰路につく俺は、先生はこんな事を口にした。

「君は性善説と性悪説、どちらを信じる？」