教育実習生のジス先生 (ページ15)

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#15 ページ15

自習の時間になると思っていたが、とある男子生徒の提案で始まったジス先生への質問タイム。

わたしには関係ないので、今日受けた授業の復習をするためにノートを開くと背中に小さな痛みが走った。

振り返ると、右斜めの一番後ろの席に座っているミンギュが外に出るように、と顎でしゃくった。

またあの時間が始まるのか。行きたくない。机の下でスカートを握りしめる。

ここ最近、彼の機嫌が悪いらしく、乱暴にされるものだから体中に傷を作っていた。

躊躇っていると、ワザとらしく大きなため息をつく彼。

彼の取り巻きたちは彼が不機嫌な事を悟ると、焦ったらしくなんとか機嫌を戻してもらおうと彼に色々と声を掛けていた。

「大丈夫？」

隣のウォヌくんは、黒板の方を見たまま声をかけてくれる。

平気、と小さく答えると、行かなくていい、と彼は言った。

ミンギュがわたしに指示をしている事に気づいていたらしい。

「ジス先生は彼女はいますか？」

「いません」

「そうなんですか！わたし、立候補していいですか？」

「ズルい！わたしも～！」

クラスメイトはジス先生に質問する事で盛り上がっている。

わたしと、ウォヌくんの空間だけが異様で静かに感じた。

早く授業が終わってほしい……。

「先生」

その時、ミンギュが手を挙げた。

瞬間、一気に静まり返る。

彼はまだなにも発言をしていないのに、心臓が早鐘を打った。