FearⅣ (ページ4)

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#154 ページ4

「俺とした事が、お前たちの名前まで覚えられなかったよ」

「しまったなあ」と残念がる彼。

ジョンハンさんじゃない……？じゃあ、一体誰なの……？

「コイツがひとりになる所を見計らって、体を奪ってやったんだ」

ニヤリと笑う彼。わたしたちは動揺した。

「記憶まで共有するはずなんだけど、そうはいかなかったみたいだなあ」

「それって……ジョンハニヒョンは……」

青ざめた顔のハンソルさんが言う。

「死んだよ。コイツの魂は今頃彷徨っているだろうね～。どっちの体にも行けない魂は浄化される事はない。永遠とね」

「僕は自身の力だから関係ないけど」と彼は笑った。

わたしたちは言葉を失い、声が出なかった。

「……任務失敗。てことでこの体もいらないから、処分(・・)するよ？」

彼は懐から銀で作られたナイフを手にすると、自身の胸に突き刺そうと振りかぶった。

「待って……！」

わたしがそう叫ぶと、彼は手を止めてわたしを見た。

「やめてください……！」

「そうしてもいいけど、代わりに僕についてきてくれる？」

「行きます。だから、そんな事しないでください」

彼はわたしをどこから連れ去るのが目的だ。

これ以上、彼らの好き勝手にはさせない。

わたしが犠牲になればいいだけの話なのだ。

「A」

ウォヌさんがわたしの手を掴んでいた。

「行くな」と彼の目が訴えていた。

わたしはそっと、それを外した。

「もう会えないかもしれませんが……そうなったら、今まで幸せな時間をありがとうございました」

十分すぎるくらいの愛を、ウォヌさんからは貰った。

楽しかった、幸せだった数々の思い出は絶対に忘れません。

方法は分からないけど……彼と交渉して、きっとジョンハンさんを連れ戻してきます。

「あー良かった！利口な子で」

彼は上機嫌でそう言うと、「さあさあ」とわたしをどこかへと連れて行こうとした。

その時。