FearⅣ (ページ11)

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ソクジンSide

目を覚ますと、見知らぬ美男子が心配そうな目で僕を見ていた。

でもすぐに、あの時僕たちを助けてくれた少年だと思い出した。

「良かった。気がついたみたいですね」

「……君、は？」

「僕はハンギョルと言います。……吸血鬼です」

吸血鬼という言葉で目を大きくさせた。

ああ、思い出した。

彼は例の書物に書かれていなかった人物だ。

我々の管理下にない吸血鬼が何故。

いや、それよりも。

「グクは……」

「彼ならもうすぐ来ます。初対面の僕でごめんなさい」

「いや、気にしないで。……ところで、どうして君がここに？」

「ジョングクさんがいない間、見張ってました。僕の仲間が襲いにかかってくるかもしれないので」

「君の仲間って……」

「あなたが守っている女性を狙っています」

Aさんのことだ。

彼女は無事だろうか。

「そして、仲間の顔を見てしまったあなたにも危険があります。彼ら……アイツらは、人間に顔を見られるのを極端に嫌ってますので」

「……彼女は無事なのかい？」

「ええ。無事です。ジョングクさんの仲間の元にいます」

ウォヌさんと一緒なら、安心か。

少し安堵した。

「体調はどうですか？」

「体のあちこちが痛いけど、平気さ。…．ありがとう。僕が目を離している間、守ってくれて」

「いえ。……お礼なんて」

「今は僕がこうだからだけど……きっと、君にはそれなりの処分が下ると思う」

「はい。受け入れます」

「でも、出来るだけ……君が辛くならないようにするよ。約束する」

きっとハンギョルくんはいい子だ。

それに、僕と同じ志を持っている気がした。

互いに小指を絡め、指切りをした。