【ＨＱ】小 さ な 彼 と の 青 春 3 【西谷夕】

今生の別れ？ ページ21

「まぁお姉さんの方がいいけど」


「……」


「あ、輝ちゃん怒ったー？」


「お、怒ってない…!」


黒尾に言われた言葉にカチンっとこなかったというわけではないけど…


うーん、まぁ恋ちゃんの方が可愛いし？気配りできるし？明るいし？


「俺らの半分くらいは恋ちゃんに魂吸い取られたもんでね」


「あ…、そうだったね」


あれは明るい性格というのを通り越している


「夜久ほどじゃないけど俺も輝ちゃん気に入ったから〜」


「え？」


「輝ちゃんまたマネージャーやってね」


頭の上にポンと手を置くと黒尾は片付けにいった


私はマネージャーじゃないって…ー


でもまた逢えたらいいな


その後も片付けしながら何人かに「ありがとうございました!」と声をかけてもらった

良い子が多いですな…!!


新鮮な二日間だった


烏野と音駒のまるで今生の別れのようなのが繰り広げられている





「輝ちゃん!」


「衛輔くん」


「また会えなくなるのさみしいな」


「…そうだね、衛輔くんがまた私と話してくれて嬉しかった」


「え？」


「衛輔くん３、４年生になってから全然話してくれなかったから」


「あ…ごめんね」



３年生になってからは遊ばなくなったし、バレーお互いやっていたのに一緒にやったりもしなかった


理由はわからなくて、嫌いになっちゃったのかな？って思ってた




「でも俺輝ちゃんを嫌いになったことは１度もないから」


「本当に…？」


「うん!絶対!嘘じゃないから!」


「ありがとう…!私もずっと大好きだよ!」


「ｯ…」


「？」


「…じゃあまたねｯ…」


「うん!」



輝ちゃんが好きでどうしていいかわからなくて


だから避けて、輝ちゃんに嫌な思いさせてたんだ俺


でも俺、輝ちゃんのこと…


今はまだいいや



衛輔くんや黒尾や研磨と連絡交換したから東京行ったら案内してもらおう


東京って遠征と小さい時に旅行で行ったくらいだ






「輝さん!!」


「な、なんでしよう!!」


いつものさぁぁぁん!じゃないからちょっと違和感…


そういえば私怒られるんだ…


恋ちゃんにあのあと聞いたのに黙って怒られなさいって言われた



「一夜を共にしたんですよね？」


「え？えっと…」


その言い方だとなんかイヤラシイな…





「俺の彼女なんすよ輝さんは!!!わかってますうううう!!???」


「ひぃ……」


「なんなんすか!ずっと大好きだよ!って!浮気!!!」


「ち、違うよ…!!き、聞いてたの？」


まさか聞かれていたとは…

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