【ＨＱ】小 さ な 彼 と の 青 春 3 【西谷夕】

喧嘩 ページ3

「サーブもアタックもブロックもそしてレシーブも全部できるのに!!」


歓迎試合でＷＳで入った輝を見たときに

私も思った


また輝のアタックが見れるって


でも輝は私に言ったんだ



「あんたより下手なあたし達を嘲笑ってるんでしょ!!

左利きじゃない私でもこんなにできんのにって見下してんだろ!!」



輝は黙って聞いているけど


怒りじゃなくて悲しそうに見える



「リベロなんてあんたに向いてないんだよ!

ここにいる先輩や１年生もそう思ってるんだよ!!」


否定はできない


現に私も輝がまたアタッカーをやってくれたらって思ってしまったから


それはみんな同じだったみたいで誰も否定しなかった


「なんとか言えよ!!!」


と言って泉は輝の右肩を思いっ切り押して輝は第２体育館に続く扉にあたった


輝の胸倉を掴む泉



「リベロのあんたなんか見たくないんだよ!!」


「……」


輝は黙って立って扉を開けた


第２体育館に歩いて行く



それを泉は追いかけていくからさすがに止めないとまずいって思って私達も追いかけた


男バレも自主練習みたいで異様なこっちの雰囲気に気づいていたのか静まり返っていた




「逃げんのかよ…!!!」


泉の声が響き渡る


「……」


「根性無し!!」




輝はそのまま出て行った



「泉、いい加減にしな」


「千香…」


「及川ごめん練習の邪魔したね」


「輝追いかけなくていいの？」


内容も全て聞こえていたのか状況はわかってるみたいだ


「私はみんなに言わないといけないことがあるから」


あの時輝に言われたことを私がみんなに伝えないと



「じゃあ俺行くよ」


「え？」


「岩ちゃんあと頼んでもいい？」


「おう」


「及川ごめんありがとう」


「山倉ちゃんらしくないなー!俺に任せといてよ!」


「うん」


及川はそのまま出て行った









全てを否定された


リベロに向いてない


みんなもそう思っていたなんて


でも


アタッカーにまたなれたらなって自分でも思うことがあったから


私は何も言い返せんかったんだ






「に、西谷…？」


「輝さん」


「どうしたの…」


「俺１週間の自宅謹慎と１ヵ月の部活動禁止になったんす」


理由は教頭を吹っ飛ばしたとのことだけど


「エースがトスを呼ばなかった」


「……？」


「俺の繋いだボールを勝手に諦めて…根性無しめ!!」

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