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角名倫太郎×偽りの王子様 ページ16

「貴方は……?」



ある日、不思議な男の子と出会った。
 


どこか妖しい魅力がある彼は、自分のことを西の国の王子だと名乗った。
 


「まぁ……そうでしたの。遠い所からご苦労様です。良ければゆっくりしていってください」
 


彼は口元に微笑を浮かべた。以来、彼…改め、角名倫太郎さんは、私のお城で過ごすことになった。
 


彼は外の世界のことをよく知っていた。私はこの街の外には出たことがなかったので、驚くことばかりだった。
 


「倫太郎さんは、なぜ外の世界のことに詳しいのですか?」
 

「んー、よく旅に出るから」
 

「お母様やお父様はお怒りにならないのですか?」


「まぁ、ウチ放任主義だからさ」
 


王子様なのにそんな育て方をしていいのかと思ったが、他所は他所、ウチはウチなんだろう。
 


「……羨ましいな」
 


同じ王族なのに、どうしてこうも違うのかな。私だって外の世界へ行ってみたい。でも両親が許してくれない。
 


「……明日も、お話聞かせてくれますか?」


「別にいいけど」


「ありがとうございます」
 


毎晩、彼の部屋に通った。彼は色々な話をしてくれた。海の話、動物の話、森の中の話まで。
 


私は、彼が饒舌に語る外の世界の物語に、そして彼自身に夢中になっていた。
 


彼が私のお城に来て、1ヶ月ぐらい経った頃。私はあの時と同じ言葉を口にした。
 


「……倫太郎さんが羨ましいな。私も、外の世界に行ってみたい」
 


彼の返答は簡単なものだった。
 


「それなら、外の世界に出ればいいじゃん」
 

「……へ?」
 


すっとんきょうな声を上げてしまった。だってそれは、両親に怒られるから不可能で……。



「大丈夫だって」
 


彼はニヤリと笑って、私の耳元に顔を近付けた。耳に吐息がかかって、背中の方がゾクゾクする。
 


「俺が協力してあげるよ。一緒に逃げよ、A」
 


甘い甘い悪魔の囁きに、私の心はいとも容易く墜ちてしまった。
 


「はい……」

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設定タグ:ハイキュー , 短編集 , 時々○○してみた   
作品ジャンル:アニメ
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スズカ(プロフ) - 美月さん» 続編の方にて、リクエストのお話書かせていただきました!ご確認よろしくお願いします! (2019年5月24日 19時) (レス) id: 1a8fb1a009 (このIDを非表示/違反報告)
スズカ(プロフ) - 美月さん» 了解です!!リクエストありがとうございます!!なるべく早く書きますので少々お待ちくださいね!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 1a8fb1a009 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - スズカさん» はい!もちろんです!!楽しみにしています! (2019年5月19日 16時) (レス) id: 001893ea4c (このIDを非表示/違反報告)
スズカ(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます!!面白いと言っていただき光栄です!!リクエストは続編の方で書かせてもらっていいですか? (2019年5月19日 16時) (レス) id: 1a8fb1a009 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - はじめまして!凄く面白いです!リクエストで川西太一くんが彼女である夢主にdキスして欲しいです!これからも応援しています! (2019年5月19日 15時) (レス) id: 001893ea4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スズカ | 作成日時:2019年4月2日 21時

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