24話 ページ30
「A、そっち行った！」
『はーい！上げるね』
私は今、絶賛バレーボール中。
なぜなら、今日は球技大会だから。
私たちの学校は、期末テストが終わった後から長期休みに入るまでは午前中授業で、その間に球技大会が1日だけ行われる。
種目はくじ引きで決められ、私はバレーになった。
私は、体育の授業くらいでしかバレーをやったことがないので、アタックは もちろん、トスもできない。
だから、必然的にレシーブに徹することになった。
そして、同じチームには、バレー経験者が3人いる。
その結果、私はボールを拾っているだけで、いつの間にか勝てていた。
「A、お疲れ様〜！ナイスレシーブだったよ！」
『ありがとう。花のアタックすごかったね』
花「そりゃあ、5年間バレーやってたからね。でもありがと」
？「Aちゃーん！！」
友達で同じチームだった花と話していると、そんな声が聞こえた。
声の方を見ると、康二くんが駆け寄ってきていた。
向「お疲れ様ー！2人ともすごい上手いな〜。この勢いで優勝できるんとちゃう？」
花「夢じゃないかもね〜」
『見ててくれたんだ。ありがとう。康二くんは何の種目だっけ？』
向「俺はバスケやで。今やってる試合の次の試合に出る」
男子はバスケかサッカーで、康二くんはバスケらしい。
ちなみに、体育館には真ん中にネットがかけられていて、半分はバレー、もう半分はバスケが行われている。
その後も3人で話していると、男子のバスケの試合が終わった。
向「あ、俺行かな。ほな、行ってくるー！」
花「がんばれ〜！」
『がんばってねー！』
すると、行きかけた康二くんが、急に止まってクルッと振り返り、私にこう言ってきた。
向「Aちゃんにいいいとこ見せるためにがんばるから、ちゃんと俺のこと見とってな！」
それだけ言うと、男子たちの輪の中に入って行った。
その後、宣言通り康二くんは大活躍し、男子のバスケでは、康二くんたちのチームが優勝した。
私たちは決勝まで進んだけれど、惜しくも隣のクラスに負けてしまった。
でも、友達とバレーができて、とっても楽しかった。
その後、康二くんにこんなことを聞かれた。
向「なあ、俺、かっこよかった？」
『え？かっこよかったと思うよ。たくさんシュート決めてたし』
向「良かった〜！！俺、これからもがんばるから、ちゃんと見とってな！」
···どういうことだろう？
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作者名：はる | 作成日時：2023年5月15日 20時
