20話 ページ25
次の日。
熱はすっかり下がり、元気になった。
夕方、学校帰りの辰哉くんが、様子を見に来てくれた。
深「やっほー、Aちゃん。元気になって良かった」
『昨日は来てくれてありがとう、辰哉くん』
深「元気になったし、ゲームしよー！···って言いたいけど、病み上がりだし休みたいだろうから、俺帰るね」
『えっ、大丈夫だよ。気使わなくても』
深「だめ！また体調崩しちゃいけないでしょ！じゃあ、またね〜」
『うん、バイバイ···』
そうして、辰哉くんはすぐに帰ってしまった。
コンコン
？「入るよ〜」
ノックと同時に、返事も待たずに姉の風香が部屋に入ってきた。
『お姉ちゃん、私が返事する前に入ってくるのやめてよ···』
風「ごめんねー。直したいけど直らないの。だから諦めて」
『え〜···』
勝手に入って来た姉は、ベッドに座っている私の前を通り過ぎ、私の机の前にある椅子に座って、
風「ねえ、Aってさ···。ふっかくんのこと、まだ好きでしょ？」
と、爆弾を投げてきた。
『···は？』
風「もう、見てたら分かる。「ああ、好きなんだな···」って」
呆気に取られている私を他所に、姉は話を続ける。
風「同じ高校に通い始めて改めて思ったけど、ふっかくんってモテるよね〜。中学でもモテてたけど、今の方がモテてる。早いとこ付き合った方がいいと思うよ？」
『何でお姉ちゃんにそんなこと言われなきゃいけないの」
私の気持ちも知らないで···。
風「だって、もし辰哉くんに彼女ができたら、後悔するのはAでしょ？」
『···そうだけど···』
風「それにふっかくんは、もう高校2年生。Aが入ってくる予定の時には、3年生。ふっかくんの進路は知らないけど、いつまでもAの側にいてくれるわけじゃないんだからね」
『···分かってるよ···』
嘘。
本当は、分かってなかった。
お姉ちゃんが、ため息をついて出ていく。
私が辰哉くんと一緒に過ごせているのは、辰哉くんから私の所に来てくれているから。
だから、いずれ辰哉くんが離れてしまう時がくる。
そのことに、お姉ちゃんの言葉で気付かされた。
「辰哉くんに、告白しようかな···」
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どうも、作者のはるです。
私事なのですが、無事志望校に合格いたしました！
これからも作者とこの作品をよろしくお願いします
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作者名：はる | 作成日時：2023年5月15日 20時
