童子切の刀 (ページ30)

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鬼が26匹ページ30

陸side

「そうだ」

やっと分かったか、と薬研は口端をあげた。

そうか、だから童子切はあんなに冷たい目をあいつらに……。

一歩でも進めたという安心感で一杯になる。

しかし、これだけではまだ解決してない。

「だが姉者には弟がいて、仲も良かった。兄弟という存在を憎むことはないと思うのだが……」

「そうですな。以前、童子切殿から弟の鬼切安綱殿のことをお聞きしたことがありますが、憎むどころかとても誇らしげに話していらっしゃいました」

ということは、童子切は弟のことを憎んでいてそれが兄弟そのものを嫌う原因になっている、ということはないのか……。

「なら、何で……」

「もしかしたら、一番長く一緒にいた僕たちも知らないことがあるのかもしれないね」

髭切、膝丸、そして童子切は妖怪退治で有名な源頼光とその頼光に仕えた頼光四天王をはじめ、源氏の一族のもとにいた。

伝承では童子切が頼光の佩刀として酒呑童子と呼ばれる鬼を切り、髭切、または鬼切安綱が酒呑童子の手下である茨木童子を切ったとされている。

まぁ本人らも興味がないということで覚えてないし、文献も少ないし、土蜘蛛やら他の鬼やら色んな妖怪を切っていて詳しくは分からないのだが。

そんなこんなで、俺は源氏兄弟は童子切のことを"何でも"知っていると思っていたが……。

「まぁ、よくよく考えればそうだよな。長い間一緒だったとはいえ離れていた期間もあるし、それもそこそこ長い」

ならばどうすれば……。

前述した通り古い刀故に文献が少ない。

それはつまるところ情報が少ないということだ。

どうすれば、あいつに関して知れる？

掴めたと思った手がかりが手の内からスルスルと抜けていくような気がして、少し焦りだす。

「主殿、とりあえずは本丸の皆さんからお話を聞いてはいかがでしょう」

「確かに、童子切殿と長くいたのは源氏のお二人です。ですが、一緒にいたのがお二人だけという訳ではありません。」

「いち兄の言う通りだ。骨喰兄さんも乱も何か知ってるかもしれない」

肩の力が抜けて自然と表情が緩む。

流石としか言いようがない。

「だな。まずは粟田口の二人から、話を聞きに行くか」

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鬼退治の話はちょっとよくわからなかったので自分の想像やら解釈やらが色々入ってます、多分。