鬼が20匹 ページ24
陸side
最近、刀剣たちからよくこんな話を聞く。
「ねぇ、聞いてよ主さん！」
「何だ、またか？」
「そう！きりが何かよそよそしいって言うか、他人みたいに振る舞うの！」
"童子切がよそよそしい"
これは乱に限ったことでなく、あの源氏兄弟でさえも言ってる。
「昔はもっと僕たちと本当の兄弟のようだったのにね」
「姉者は俺たちのことを嫌いになったのだろうか」
という感じで。
まぁ、童子切も一応人と同じようなもんだから一人になりたいことくらいあるだろうけど。
「ほんとに前は違ったのか？」
「あぁ、あまり覚えてないが、今よりも明るかったような気がする」
「うん、今は空元気って感じもするよね。あーあ、ボク何かしたかなぁ？」
同じようなことは三日月や鶯丸、大包平を始めとした他の刀剣たちもこぼしている。
そんな会話をしているといつの間にか人が集まり、大所帯になっていた。
手合わせしてきたらしい奴もいて、暑苦しいったらない。
「確かに前とは変わったな。なぁ、鶯丸」
「あぁ、そうだな。どこがとは言えないが、確かに違う」
皆でウンウン悩むが、なんの案もでない。
そこで乱が机に伏しながら何気なく言ったその言葉が、ヒントになる。
「誰か、童子切に詳しい人でも来ないかなぁ」
詳しいひと……
そういえば
「なぁ、童子切って兄弟はいるのか？」
そっかー、その手があった！と、湧く刀剣たち。
いたとしても、実装されてるかが問題だな。
「あぁ、いるぞ。特に親しい兄弟となると鬼切安綱だな」
「そうだね。でも、確か未実装だった気がするなぁ」
さっきまでの活気は途端になくなる。
三人以上寄っているというのに文殊の知恵は未だ出ない。
他に何か手はないのか皆で悩んでいると、その空気を壊すような声が聞こえてきた。
「待てっ、童子切ー！！勝負だっ！」
「だからー、嫌だってばぁ！大包平殿、今日は畑当番なんだよねー。終わらせた方がいいよー」
「もう終わらせた！」
しかも、悩みの種もいるな。
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作者名：おきな | 作成日時：2018年4月5日 15時
