鬼が14匹 ページ18
童子切side
私たちが準備をはじめて暫くすると、燭台切と歌仙がやって来た。
二人は自分達より先に人が来ているとは思っていなかったからか、驚いたような顔をしている。
「おはよう、二人とも」
「早いな、おはよう」
仙台刀と自称文系名刀は驚きもそこそこに、手早く準備を始める。
毎朝やってるだけあって、手慣れた感じでサクサク進めていった。
「おはようございます、燭台切殿、歌仙殿」
「おはよー」
話しながらも手だけは止めない彼らのお陰で朝餉はもうでき始めたかな。
段々起きてきた刀剣達が手伝ってくれて、大広間にはいい香りが漂っている。
いいね、いいねー。
美味しそうな朝餉にワクワクしていると膝丸がやって来た。
焦っているのかな、小走りだ。
「姉者っ！兄者がなかなか起きないんだっ」
「やっぱりねー。朝餉はもう少しなんだけどなー……」
「準備はお陰さまでもう終わるから、童子切ちゃんは髭切君を起こしに行ってくれるかい？」
手伝いも段々と増えてきたことだし、燭台切殿の気持ちに甘えて髭切の元へ行くことにする。
そこに一期殿も乗る。
「私も弟たちを起こしに行ってもいいでしょうか？」
彼のいる粟田口は短刀が多いようで、長男たちは大変そうだ。
刀種的に保護者なのに心は短刀の馬糞少年もいるようだしねー。
「あぁ、ついでに他の人たちも頼めるかな？」
「堀川のところにも行ってくれるかい？和泉守は朝に弱いから、困ってると思うんだ」
本丸の母と意外と兄弟(？)想いな自称文系名刀に見送られ、足を進める。
「はーい、ありがとー」
「分かりました。ありがとうございます」
「さて、髭切を起こすのは骨が折れそうだけど。行こっか、膝丸」
もうすぐ朝餉だ。
早く起こさないとねー。
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作者名：おきな | 作成日時：2018年4月5日 15時
