童子切の刀 (ページ15)

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鬼が11匹ページ15

童子切side

紹介されてから、数刻。

大広間には美味しそうな料理がズラリ。

私が頼んだお酒と肴も多くある。

「わぁ、美味しそうだねー」

「ありがとう。喜んでもらえて嬉しいよ」

眼帯をつけた色男が話しかけてくる。

燭台切光忠、長船の太刀で伊達政宗公の刀である彼は、流石伊達男と言ったところか、溢れ出す色気にはこっちが困ってしまう。

「ううんー、こっちこそ。顕現されて初めての食事がこんなに豪華なんて、ありがとー」

そこで、主さんが入ってくる。

実は彼を待っていたのだが、お腹を空かせて待ちきれなくなった鍛刀たちが呼びに行ったのだ。

手を引かれながら入ってくる主さんは、どうやらためていた書類を片付けていたようで、後ろから長谷部殿も入ってくる。

審神者である彼の定位置に主さんを座らせ、合図をかけさせる。

「あー、ようこそ童子切。これからよろしくな。じゃ、食べろよー。いただきまーす」

彼のその言葉を聞いて今か今かと待っていた短刀たちは笑顔で食べ始める。

さて、私も食べようかなー。

周りの和やかな雰囲気を横目に手を合わせる。

すごくいい臭いが漂っていて、今にもお腹がなりそう。

「いただきまーす、と」

彼らの楽しげな様子を見て、私も箸に手を伸ばした。