鬼が7匹 ページ11
童子切side
声を掛けて尚、ポカンとしている二人。
もしかして忘れられた……？
でも、あれだけ一緒にいて忘れるってことは……。
いや、_____ならば有り得るのかもしれない。
「本当に、童子切かい？」
「いや、姉者は実装されないはず……。」
何だ、忘れられているわけではなかったらしい。
ホッと息を吐く。
「久しぶりだねー、髭切、膝丸。忘れられていないようで安心したよ」
私が本当に童子切だと分かると、二人は駆け寄ってきた。
懐かしい笑顔を見て、無意識に緊張していた気持ちが緩む。
「童子切、久しぶりだね」
「姉者！」
大広間にいる者は呆けた顔をしてこちらを見ている。
空気の読めない、よく言えばマイペースな主さんは会話に入ってきたが。
「何だ、お前ら知り合いだったのか」
「知り合いっていうより兄弟に近いですかねー？」
「加州と安定のようなものか？」
「そうだね」
安定とやらを私は知らないが、さぞ仲のよい二人なのだろう。
「そういえば、姉者は何故実装されたんだ？」
「刀剣女士の実装は、まだされてなかったはずだよね」
「それがねー……」
私達の会話を聞いていた数人が疑問の声をあげた。
「姉……？」
「刀剣女士って……」
まさかと思って主さんの方を見る。
どこかで見た、子供のように純粋な顔。
「あれ、言ってなかったか？」
あのな、と続ける。
「童子切は試験的に実装された刀剣女士なんだよ」
加州はため息をつき、私はこれから聞こえるであろう声に備えて耳を抑える。
今代の主は全く本当に……
「面白くなるねー」
事情を知らない者の声が響くまで、後少しかな。
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作者名：おきな | 作成日時：2018年4月5日 15時
