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「"今日からよろしくお願いします"」
頭を下げるとパラパラと拍手が起こる。好奇な視線が体にはり付いた。
雲一つない快晴の今日、私は正式にStray Kidsのスタッフとして働く事になった。
「今日はコンサート書類を英語に訳してね」
先輩に渡された資料とノートパソコンを手に、デスクに着く。今日は夕方に音楽番組の出演で日本へと旅立つので、それまでに仕事を一通り終えなければいけないらしい。
無心で文字を打ち込んでも、終わったのはお昼を過ぎたあたりだった。先輩に報告を済ませて、飛行機内で食べる夕食を人数分注文した。
太陽が隠れた頃に空港に着き、車から下りるとカメラのフラッシュに目が痛くなった。きっと歓声も凄いはずだ。
人の波に揉まれながら進んで行くと、私の肩を叩いたチャンビンが首を傾げながら指先を胸の端に当てて、反対側に移動させた。「大丈夫？」という手話だった。大丈夫だと手話で返すと、チャンビンは更に手を動かした。
「"仕事どう？"」
「"皆さん優しくて、助かっています"」
落ち着いたチャンビンが動画内の彼とは違って、緊張してしまう。
さりげなく私と他のスタッフの間に入ってスペースを作ってくれている。本来なら私がそうするべきなのに。何となく、彼にリア恋のファンが多いのも分かった。
飛行機が離陸し、各々が自由な時間を過ごす中、私は注文したお弁当の数をチェックして、一人一人に配っていた。
「わ、ご飯だ！ありがとう」
チャニオッパに渡すとお腹が空いていたのか、嬉しそうだった。リノさんとハンは寝ていて、フィリックスやスンミン、アイエンは丁寧にお辞儀をした。
最後に2人で並んで座っていたチャンビンとヒョンジンに渡すと「"ありがとう"」と手話で言われて、嬉しくなった。
席に戻り、忙しくて中々手がつけられていなかった絵本の翻訳をしていると、突然絵本特有の素材に人影が反射した。隣には私の気持ちを代弁している不思議そうな顔をしたスンミンが居た。
「何してるんですか？」
絵本を指さすスンミン。「"日本の本を韓国語に訳してるんです"」と答えると、パチパチと目を瞬かせた。
「僕も日本語勉強してるんです。教えてください」
スンミンは前のめりになって絵本を覗き込み、スマホに文字を打ち込む私の指を追っていた。
「"これは토끼です。토끼 씨가 작은 의자를 만들었습니다. うさぎさん、が、ちいさな＿＿"」
続く (更新停止中)
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作者名：コンビニ | 作成日時：2024年1月25日 5時
