恋と勉強の両立法。【さとみ】

21時間目 ページ21

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「今日さとみ先生に髪可愛いって言われたー」





『確かに今日の髪型可愛いね』





彼のことを全く知らない、この子よりも





「さとみ先生にいつもありがとうって言われたんだよね！」





そんなに凄くないのに凄い凄い言われてる、顔だけ可愛いあの子よりも





「じ、実は私、さとみ先生のこと好きになっちゃったんだよね」





恥ずかしそうに言ってるあざといあの先輩よりも






『私がさとみくんのオキニだし。さとみくんのお隣枠だし』





そう、屋上から見える女子達(なおん)を眺めながらいちごミルクをズッと吸い切った。





いちごも牛乳も好きじゃないのに、ここにはさとみくんもいないのに可愛こぶっちゃって。





『あーあ、私って本当に可愛くないや』





壁に寄りかかって崩れ落ちれば、変な気持ちに陥った。





あの子よりもこの子よりもその子よりもどの子よりも。

こそあど、だよね。





「Aさんは、可愛いよ」





『え』





突然目の前に現れたのは、男性のわりに高く穏やかな声の持ち主。





成績優秀で真面目で優しい正統派イケメン。しかも天下の生徒会メンバー！ああ、付き合いたい！









って、良く女子に言われてる、3年のはると先輩ですこんにちは。





『あの、屋上入っちゃいけませんよ？』





(あの、屋上は私とさとみくん専用ですよ？)





「はは、君も入ってるくせに」





『…無理だわあ』





(無理だわあ…こういう正論系バカ真面目人間)





「これからよろしくね」





『はあ、』





(はあ、さとみくんとの時間邪魔したらぶっころだから)





そう手を伸ばして来た良く分からないモテ男。





よろしくするつもりは無いと、その手を避けて屋上を去った。









その放課後、空き教室にて





『さとみくんがいると思って行ったのにさ！いないし良く分からない人来るしどういうことよ！？』





「まあ、Aは可愛いよ」





『うっ…！？』





愚痴を吐くにもさとみくんに愚痴を書き消されるのだった。









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