豚に拾われた猫の前世は死刑囚でした #3

#66 ページ18

Tn side

『ねぇ、優。』

『……なぁに？お母さん。』

『貴方は、どの子が欲しい？』

『…猫ちゃん。あの子が欲しい！』

『命を預かるのよ。大切にするって約束できる？』

『うん、できる！』


＿＿結局、約束は守れなかったし、守らなかった。


命を預かる大切さ……アンタが教えてくれたよな？


なぁ、なんで＿＿＿！


tn「ｯ…!?」
ut「ふぁっ!?」
飛び起きると、そこは俺の部屋。
隣を見れば、タオルを顔に被った大先生。

……と、俺と目を合わせようとしないA。

ut「びっくりしたぁ…大丈夫なんか？」
tn「お、おん…寧ろ良い。てか、今何時？」

ut「夜の11時過ぎ。ちなみに、倒れてからは1日経っとる。」

1日…!?

tn「期限が…！」

パソコンの元へ向かおうとすると、扉が大きな音を立てて開いた。

gr「期限…とな？また仕事追加したのか。」
tn「あ、いや…その……」

……何も言えねぇ。

グルッペンの言う通り、俺はまた新しい仕事を入れた。
PC1つで出来る仕事で、いい感じに収入も入るやつがあったから。

…そうでもしないと、俺が暮らしていけない。

Aを、皆を守る為にはこうするしかない。

gr「お前のそういう自己犠牲心は何なんや。
　俺らは仲間やろ？」
ut「…せやぞ。頼れや。」

tn「お前ら……いやでも、これは俺の問題や…」


gr「孤独だのなんだの言ってるけどよ！
　お前には俺らが居るやろ!?」


突然、グルッペンに怒鳴られる。
恐る恐るグルッペンを見れば、随分と怒っていた。

tn「…お前らはお前らやろ。

　お前らに何が分かんねん！」

……なんで、言い返したんだろうか。


グルッペンの言っている事が正しいって、分かってるのに。

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