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「あ〜部屋散らかってる....」
まあこの惨状を見られても全く大丈夫だけど、一応ね？女の子だし？
急いで部屋着に着替えてメイクを落として、部屋を片付けたという名のただ固めた惨状からは目を背けた。
あ、おつまみとお酒ないや....ラブプレまでまだ30分もあるし、どうせアイツはギリで来るだろうし....
またまた急いで部屋着の上からコートを羽織り、マスクを装着し、玄関に向かった。
スニーカー履いて....……あー最悪、財布忘れた
もう一回脱いで....
ピンポーンピンポーン
え？と驚く隙もないままガチャリという音と共に背後から冷え切った隙間風が通った。
「おじゃましま....…何してんの？」
振り向けば、目をまん丸くさせた幼なじみ。
「いや、これは....ってか鳴らして勝手に入ってこないでよ！！」
「いっつもそうじゃん」
「これから禁止！…今からおつまみとお酒買いに行こうかなって」
そう言うと、いつにないドヤ顔で自分の顔の横に大きなビニール袋を掲げた。
「ジャーン！そうかと思って俺が買ってきました〜！さぁさぁ中入って、寒みぃよ」
私の目の前の巨人は、私を半回転させると片手で私の背中を押しながらリビングへと流れ込む。
「もう始まる？」
「あと20分！」
私はそそくさと受け取ったコンビニ袋から購入品をテーブルに広げソファに座ると、チャニョルは上着と荷物を床に置き隣に座って缶ビールのプルタブを開けた。
「はいどーぞ」
「ありがと…どうしたの？今日は気がきくね」
チャニョルは肩をピクッと揺らしたけど、何事もなかったように自分の缶ビールに手をつける。
「ふふん、オッパと呼んでもいいんだぞ？」
確かに私の方が１つ歳下だけどさ……
「いーえ結構です！」
丁重に断り私は缶ビールに口を付けた。
「あー生き返る…」
風呂上がりの次に美味しい帰宅後のビール....贅沢だなぁ
「あのさー、突然だけど今週の土曜って空いてる？」
おつまみの袋を一つずつ不器用に開けていく幼なじみの姿を見て変わらないなぁ、なんて思いつつ。
「んー、仕事も休みだし今の所予定はないよ。どうかした？」
その隙に開いたおつまみをすかさず横から手に取った。
「今週の土日ライブあんだけど…来ない？」
「…ライ、ブ？」
そっか。
忘れてたわ。
この人アイドルだった。
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作者名：あんず | 作成日時：2016年12月15日 2時
