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「あっ、初めまして。」
私が背後の男性達に言葉を投げかけると、チャニョルが突然アワアワしだして、
cy「先に部屋行ってて！」
と後ろにいた人たちを前に前にと追いやり、通路突き当たりを曲がるのを見送ると私の肩を掴んだ。
cy「誰かと飲みに来たの？」
「そー！上司と同期の3人で。」
「酔い回ってない？ちゃんと帰れる？大丈夫？」
「大丈夫！大丈夫！潰れたとしてもどうにかしてくれる！」
チャニョルは"ハァ〜"と溜息をつくと困った顔で頭を掻いた。
「何かあったら直ぐに電話！分かった？」
「はーい、じゃあ」
先に行った人たちと同じ道を通って行くチャニョルに手を振ると、いつの間にか前の人が出ていてすぐさまトイレに入った。
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jm「おせーよ！籠ってんなよ！トイレで！」
「うっさい！偶々、幼なじみに会っただけですー！」
2人で言い合ってると"ホント仲良しだね"って先輩が言うから直ぐに相手にするのをやめた。
jm「ヒョン、そろそろ出ます？」
sm「あーそうだな。奥さんに怒られそうだし」
「「お、奥さん！？」」
突然のことにジミンと顔を見合わせると、
sm「？ 言ってなかったっけ....俺結婚してるの」
jm「ヒョン！俺ですら知らないですけど！！いつの話ですか！？」
sm「1年前くらいかな、高校の同級生。子供もいて…」
奥さん、結婚、同級生、子供....
槍のように降ってきたいろんな言葉が脳内をぐるぐる回り回っておかしくなりそう。ってか発狂しそう。
「指輪とかしないんですか....？」
私が喉の奥からなんとか発せた言葉が、それだった。
sm「落とすのが嫌で…ほら、これ」
先輩は首元からネックレスチェーンを引っ張ると、キラリと光る結婚指輪が、確かに、そこにあった。
それでも可笑しなくらい冷静に見てる自分もいて、
「尚更早く帰んなきゃですよ！さっ、帰りましょ」
sm「そうだね、気遣ってくれてありがとう」
先輩の爽やかスマイルも、その瞬間から私には輝いて見えなくなってて、それがとても悲しかった。
「先輩！今日はありがとうございました！また連れてってください！」
sm「こちらこそ、また行こうね。もう遅いし俺が送ってくよ」
「だめです！ご家族に悪いですから、早く帰ってあげてください」
sm「ごめんね。じゃあ、ジミナ！頼んだよ、気をつけて帰ってね。」
「はい、また明日」
私の淡い恋心は、見事に今、砕け散った。
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作者名：あんず | 作成日時：2016年12月15日 2時
