四十話 ページ41
Asaid
「朝食作ってくるから着替えとけ」
そう言って中原さんは服を置いて出て行った
首に、まだ感触が残っていた
虚ろな中原さんの目を見た瞬間異変を感じたが
怖かった
中原さんが出て行った瞬間緊張が解けたからかベッドに倒れこむ
頭で中原さんが意図的にやってるんじゃないと判っていてもどうしても怖い
服を着替えて鏡を見る
包帯が、首を巻いてある
「A？」
後ろを見ると、中原さんが首を傾げながら
「飯、出来たぜ」
そう言って笑った
「あ、はい」
そう言って笑うと、中原さんが急に近づいてきた
「え、ちょ、え」
一歩一歩後ろに下がったが、背中に鏡が当たる
その横の壁に中原さんが手をつく
これって、所謂壁ドン……？
「中原……さん？」
「悪かった」
そう言って悲しげに私を見る
「だから大丈夫ですよ！」
元気に振る舞うが中原さんの表情は元に戻らない
「本当の事を言ってくれ」
そう言われて下を向けば、顎を指で持ち上げられてまっすぐ目を見る
少し逸らして
「……怖かった、です」
そういえば、中原さんは指を顎から離した
「ありがとう」
どうして御礼を言うんだろうか
「なァA」
「はい？」
「俺達って付き合ってるんだよな？」
そう言われて一気に顔が熱くなる
「その通り……です」
そういえば、中原さんは優しく微笑んで
「キス……させてくれねェか？俺も怖いんだ」
そう言われて驚く
中原さんが何を怖がっているんだろう
でも、キスって……
一瞬断ろうと思ったが、ふと思う
「私で……いいのなら」
「手前がいいんだよ」
そう言われて顔が近づき目を瞑ると
額に柔らかい感触が一瞬当たった
片目を開くと中原さんが笑っている
「期待したか？まだ此処はお預けな。取り敢えず、俺はあの妹をぶっ飛ばす理由がまた増えたから……ぶっ飛ばした後な」
そう言って中原さんが離れる
揶揄われた……
でも、何だか大丈夫だと思えた
「ありがとうございます」
そういえば、中原さんは優しく私の頭を撫でて
「朝食にしようぜ」
と言ってまた笑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 835人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月25日 1時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 正直にいうと後半の妹サイドの話、私は姉側に入り過ぎて自分の様に体調壊すまで痛みますその話はどれくらいで終わりますか。終わっていたらそこから読みたいのですが、どこからか教えてください (2019年5月31日 7時) (レス) id: 8edac39d65 (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» ええ、救いようがなくて何か言って入りたびに呆れてしまいます。救えないのです (2019年5月26日 20時) (レス) id: 996d91c156 (このIDを非表示/違反報告)
麗華三日月 - 居ますよね…救いようが無いからなぁ… (2019年5月26日 20時) (レス) id: b8888aeaec (このIDを非表示/違反報告)
リュカ(プロフ) - 麗華三日月さん» そうなんですか？じゃあ……自信持って頑張ります！そうですね。そうなんですか？私のクラスでも居ますね……改心できたら良いのですが、そんな気楽なもんじゃないから嫌ですね (2019年5月25日 13時) (レス) id: 996d91c156 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リュカ
| 作成日時：2019年5月12日 15時
