涙を流す物へ (ページ4)

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episode４ページ4

今回の撮影のテーマは、『Strawberry』

ピンクの背景に赤のソファとイチゴのクッションが

中央に置いてある。

色々と、イチゴ要素が満載だ。

でも、これは、いつもの事らしい。

幸せか、俺。

北斗「言っておくけど、毎回イチゴがテーマじゃないからな。
　まぁ、いつも楽しそうに目、輝かせてるけど」

大我「ぇ…」

毎回、撮影の度に、感動しているのか。

急に恥ずかしくなったところで、スタッフさんから指示が出た。

俺は、ソファの端に行く。

撮影では、可愛い表情を求められた。

初めてで無理、と思ったけど、案外、大丈夫なようだ。

寧ろ、その後の座談会の方が、辛かった。

ジェシー「これが、SixTONESの年表だよ」

大我「…こんなに長く活動してるんだ」

全てを読むには、日記同様、時間がかかりそうだ。

軽く読んでいると、色々大変なこともあったらしい。

優吾「大我は、この中で入所が一番早いから
　これよりも、うんと長く活動してるんだよ」

大我「へぇ…仕組みがよくわからないや」

入所と同時にSixTONESが始まったわけではないの？

よくわからない。

でも、長くアイドルとして活動をしていることは

何となく分かった。

そして、これを見ながら、座談会は終了した。

色々なSixTONESの事を聞けて、楽しかった。

それと同時に、悲しくなった。

体験しているはずのことが、何もかも忘れている。

年表を読んだって、日記を読み返したって

思い出されることはない。

皆、懐かしいと思う事も

俺は、何一つ思い出せない。

でも、皆、優しい。

慎太郎「この時、確かきょも、短髪だったよね」

樹「そうそう。今の髪型の時より、ヤンチャ感ある」

優吾「この時、俺、振り間違えたんだっけ。
　大我の視線、今でも思い出せる」

やっぱり、高地はあざとい。

人の失敗を語って、自然に自分を上げる。

大我「高地、あざとい」

そう言うと、高地は一瞬、驚いた顔をして

嬉しそうに笑った。

優吾「その言葉、待ってた」

大我「え？」

優吾「何でもない」

そう言って、何処かへ行ってしまった。

あざとい、という言葉を待っていた理由。

こちらもよく分からない。

でも、それが嬉しいなら、沢山言ってやる。

『2月×日
　雑誌の撮影だった。
　テーマは『Strawberry』
　いちごといえば、「いちご Strawberry ROCK！」
　そして、今日を、高地あざといの日、に認定!
　今日は、ずっと、高地があざとかったから。
　あざとい、あざとい！』