お姉ちゃんのこぼれ話【シリーズ短編】 (ページ12)

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俺らリサイタルズ－ Tetsuya －ページ12

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「今日は外の撮影なんだけど、姉ちゃん見学に来なよ！絶対楽しいから！」

とてつやに言われ、まあそう言うならとついていった先には、

なんでか私用の衣装が用意されていて、

なんでか私にメイクさんがついて、

なんでか煌びやかで素敵な感じに仕上げてもらったわけですが、

なにが起きてるの？

「おー！！姉ちゃんめっちゃいいじゃん！似合ってる！」

「…としみつ、しばゆー、説明をください。」

「あ、姉上やっぱ聞いてなかったんだー。」

「今日はリサイタルズの収録なんだよ。」

「うん、全然答えになってないなぁ。」

またてつやが勝手に良からぬことをしているなとジロリと睨むと、びくりと肩を揺らして曖昧な笑みを浮かべる。誤魔化すようなその顔を、私は今まで何度見たかわからない。

「いや、俺ら３人で「リサイタルズ」ってユニット組んで歌をうたう動画を作ろうと思って！で、今日はその収録なわけなんだけど、こういう撮影って滅多にないし、姉ちゃんもきっと楽しめるんじゃないかなぁと思って～。」

「なるほどね。だから３人とも素敵な衣装に着替えたわけだね。」

「そうそう！かっちょいいっしょ！」

「うんうん。で、どうして見学者の私までこんなにばっちりお色直しされたわけ？」

そりゃ、こんな立派なスタジオで、こんな大勢のスタッフさんがいる撮影だとは思わなかったから、いつも通りのラフな格好で来ちゃいましたけど、着替える必要性はどこにもないと思う。

「それはそのぉ…」

「姉上にも動画に出てほしいんだって！」

「は？」

「俺らの他に女性のダンサーさんとかも出るげ、まぁそれとおんなじ感じ。」

あ～なるほどね。
ミュージックビデオって、歌ってる後ろでダンスを踊ったり、ちょっとしたお芝居なんかをする人いるもんねぇ。

「絶っっ対無理！！！」

「いや、ダンスとかは踊らんくていいから！！顔のカットだけ！！歌ってるっぽく口パクしてくれるだけでいいから！！」

「顔なんて映せるわけないでしょ！？」

「口元だけ！とか、目元だけ！って感じのカットをホントにちょぴっと入れるだけやって！」

「じゃあ逆に、私である必要性ある！？」

基本的に、てつやの無茶ぶりやお願いは何だかんだ言いながらも叶えてきてあげたつもり。
でも今回は、いくらなんでも…

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∟02→←【てつやくんに謝ってもらいました。】