もしもし ページ47
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【23件の不在着信】
携帯に表示されたメッセージ。
見なかったフリをして、そっと画面を下向きに伏せた。
「――おい！Aって！」
「え？」
メインの撮影が終わり、帰る人・帰らない人、各々が好きに過ごしている時間。
リビングで一人ぼうっとしていたら、知らないうちにとしみつがこちらに移動していたらしい。
どうやら何度も呼ばれていたらしく、としみつが怪訝そうにこちらを見やる。
「さっきから、携帯震えてっけど？」
ちょうど、としみつが座っているソファの前に置かれたテーブル。そこに置きっぱなしにしていた私の携帯が、静かに着信を知らせていたらしい。
「あ、あぁ…うん、大丈夫。」
「大丈夫って…確認しなくていいんか？」
「あー、最近迷惑メール多くて。たぶんそれだから。」
私の答えにどこか納得していなさそうに、としみつがまた眉を寄せる。
としみつが黙ると、確かにバイブレーションの音が私の耳にも届いた。
「…メールっていうか、たぶん、電話っぽいけど？」
単発ではなく、継続的に震えている携帯。としみつの指摘はもっともだ。
マナーモードではなく、携帯の電源ごと切っておくべきだったなと後悔する。
「…たぶん、セールスの電話。」
「……あっそ。」
としみつが不機嫌そうに立ち上がる。「気にはなるけど詮索もしたくないから好きにしろ！」って感じのオーラを漂わせながら。
そのままリビングを出て行こうとするとしみつを、結局私は見過ごせずに、降参のポーズをとった。
「元婚約者がね、電話してきてる。ここ最近になって、毎日何十件と。」
「…マジで？」
「マジで。」
段々としつこさを増していく毎日の電話に、正直少し参っていた。
「…俺が出てやろうか？」
「え、なんて言うの？「俺の初恋相手になにしてんだー」とかって？」
「茶化すなよ。真剣に言ってる。」
「……。」
なんだよもう、ここで男らしくなっちゃうのか。いつもみたいに「もう知らん！」とかって可愛く拗ねてくれないんだね。
「誰にも言っとらんの？」
「…言ってない。」
「…どうしたい？」
なんで電話してきてるのかはわからない。
理由を確かめたいような、確かめたくないような。
そんな風にずるずる迷って無視しつづけていたけど、そろそろ何かしらの対処をすべきだとは思う。
「私も逃げるようにこっち来ちゃったからさ、ここらへんでちゃんと決着つけた方がいいのかもなって気は、してる。」
少しの沈黙。
またとしみつが口を開こうとする気配があったけど、こちらに向かってくる足音にかき消された。
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STO(プロフ) - ひなたさん» コメント、ありがとうございます。とっても励みになります^^ 続編についてですが、現在編集中の為パスワードを設定しております。準備ができ次第公開しますので、すみませんがもう少々お待ちください…！！他作品まで覗いてくださって、本当にありがとうございます！ (2020年5月3日 22時) (
レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 次作のパスワードはどこかに公開されているのでしょうか？？ (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 素敵な作品が読めて最高に幸せでございまさす。これからも応援してます！作品楽しみにしてますね(^^) (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
STO(プロフ) - ちゃんこさん» 乏しい語彙力を振り絞って書いているので恐縮です…！応援ありがとうございます^^ (2020年4月28日 7時) (レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんこ - 言葉選びやも展開もとっても好きです…陰ながらですが応援しております、！！！！ (2020年4月27日 20時) (レス) id: d3a7475a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：STO | 作成日時：2020年4月21日 15時
