たまには6人(+お姉さん)でお酒でも_02 ページ36
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「今はまだ、もうちょっとみんなといたいなぁ。」
誰に聞かせるつもりもなかった言葉だったけど、どうやらはっきりと口には出していたようで。
気が付いた瞬間、顔に熱が集まってくるのを感じた。
「姉上〜〜!!」
完全にできあがっていたしばゆーが突然私を抱きしめる。
かと思えば乱雑に私の頭を撫でながら(というか感覚的には鷲掴みながらといった方が正しいけど)「頑張り過ぎはよくないぞ〜」なんて、まるでパパみたいな事を言う。
あぁ忘れてた。彼はこう見えて、本当にパパなんだよな。
「だ〜か〜ら〜、人の姉ちゃんに抱きつくなっつとろぉがっ!」
「お前嫁さんいるのによくそういうこと出来るなぁ。」
「この抱擁はスケベなやつじゃないから!許されるやつだから!」
「いや、それにしてもくっつきすぎでしょ、離れてくださーい。」
「あ、こいつ!紳士のふりしてAの肩抱いとる!はいアウトー!!」
「ちょっともぉ〜。みんな集まり過ぎ!ちゃんと座りん!」
わちゃわちゃと、私の周りに集まるみんなを見て
みんなが私にくれる言葉を聞いて
今度はじわりと目頭が熱くなる
そういえば、彼の二股を知ってひどくショックを受けたはずなのに、
まだ一度も泣いていなかった事に気が付いた。
「え!?姉ちゃんどうしたの!?泣いてる!?」
「あは、ごめんごめん、大丈夫。しばゆーの口が臭くて目に染みただけ。」
「うそん!!」
うん、嘘だけど、しばゆーごめんね。
お言葉に甘えて、頑張りすぎずにちょっと肩の力を抜いてみることにしたから、
悪いけど私の嘘に付き合ってほしい。
照れかくしに、目の前のグラスを一気に飲み干した。
「え、Aちゃん、それテキーラだよ!?」
「……。」
「おい、結構な量いったぞ…。」
「うっ…!!」
「えっ、えっ、吐く??姉ちゃん吐く??」
しばゆーを殴っていたてつやが、私の異変に気が付いて慌てだす。
どうでもいいけど、エチケット袋のつもりなら、そんなうっすい、スーパーで野菜とかをつめる用のポリ袋じゃなくて、ちゃんとしたものを持ってきなさいよね――
「…うっふふふふふ。」
「え?」
「あはははは!楽しくなってきた〜!」
「あ〜、笑い上戸パターンの人ね。」
とりあえず今は全部お酒のせいにして、
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STO(プロフ) - ひなたさん» コメント、ありがとうございます。とっても励みになります^^ 続編についてですが、現在編集中の為パスワードを設定しております。準備ができ次第公開しますので、すみませんがもう少々お待ちください…!!他作品まで覗いてくださって、本当にありがとうございます! (2020年5月3日 22時) (レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 次作のパスワードはどこかに公開されているのでしょうか?? (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 素敵な作品が読めて最高に幸せでございまさす。これからも応援してます!作品楽しみにしてますね(^^) (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
STO(プロフ) - ちゃんこさん» 乏しい語彙力を振り絞って書いているので恐縮です…!応援ありがとうございます^^ (2020年4月28日 7時) (レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんこ - 言葉選びやも展開もとっても好きです…陰ながらですが応援しております、!!!! (2020年4月27日 20時) (レス) id: d3a7475a7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:STO | 作成日時:2020年4月21日 15時