ようこそ東海オンエアへ ページ13
.
暇すぎる。
撮影に行くみんなを見送ったあと、私は途方に暮れていた。
よくよく考えればここの鍵を持っていないから外にも出られない。
家にあるものは好きに使っていいとは言ってもらったけど、パッと見回して目に入るのは、漫画・ゲーム機。あと、なんかちょっといかがわしそうなモノ。
「高校男児そのまんまって感じ…」
基本的に出したら出しっぱなしという有様。ゴミも何日放置しているのやら。
(ふむ…“好きにしていい”んだよね。)
お言葉に甘えることにしよう。
「ただいまー！！姉ちゃーん！！みんなOKしてくれたー！！」
「いや、僕はまだOKしたつもりないぞ！！」
ドタバタと騒々しい音がみんなの帰宅を知らせる。
玄関の方に顔を出せば、廊下でてつやと虫くんが何やら揉めていた。
「おー！！姉上ぇー！！」
「しばゆーお久しぶり。その呼ばれ方も懐かしいなぁ。」
てつやと虫くんを押し退け、そのままギュッとハグをされた。相変わらずパーソナルスペースの狭い子だ。
「コラー！！人の姉ちゃんに勝手に抱きつくな！！」
「いてっ！出たよー、てつやのシスコン。」
「うっせー！！」
「コラ、てつや。アンタまた勝手に話進めたんじゃないの？」
「えぇ、勝手にって…」
玄関先で聞こえてきた会話から察するに、私をここで生活させたい旨をみんなに伝えたのだろう。
そして虫くんからは反対されている、と。
まあ、そりゃそうだろう。他の４人は何も言っていないところをみると受け入れてくれたのか。
…だとしたら、適応力半端ない子が多すぎやしない？？
「多分、っていうか絶対、てつやが強引に話つけようとしたよね？本当に愚弟がすみません。とりあえず中に入りましょう。」
「愚弟…！！」
そりゃ、ここに住まわせてもらえるなら正直助かる。
実家じゃ両親が私に気を遣いまくるだろうし、父に至っては私の顔を見ると、例の“名前を呼んではいけないあの人”の事がどうしても頭をもたげるようで。１時間に１回くらいの頻度で「やっぱり１発殴りに行かないと気がすまん！」とか言い出す始末。
ここは撮影の時はみんなが集まるけど、少なからず一人の時間だって持てるだろうし、そして何より、恐らくやれる事が沢山ある…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
STO(プロフ) - ひなたさん» コメント、ありがとうございます。とっても励みになります^^ 続編についてですが、現在編集中の為パスワードを設定しております。準備ができ次第公開しますので、すみませんがもう少々お待ちください…！！他作品まで覗いてくださって、本当にありがとうございます！ (2020年5月3日 22時) (
レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 次作のパスワードはどこかに公開されているのでしょうか？？ (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - 素敵な作品が読めて最高に幸せでございまさす。これからも応援してます！作品楽しみにしてますね(^^) (2020年5月3日 22時) (レス) id: 08bb1ee4ce (このIDを非表示/違反報告)
STO(プロフ) - ちゃんこさん» 乏しい語彙力を振り絞って書いているので恐縮です…！応援ありがとうございます^^ (2020年4月28日 7時) (レス) id: d38e93f1d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんこ - 言葉選びやも展開もとっても好きです…陰ながらですが応援しております、！！！！ (2020年4月27日 20時) (レス) id: d3a7475a7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：STO | 作成日時：2020年4月21日 15時
