検索窓
今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:323,076 hit

10.不要な過去 ページ10

〆.



小瀧くんは、私の家のどこに盗聴器を仕掛けたのだろう?



怪しい動きしか見ていないけれど、彼のような根っからのストーカー気質な人間が、



相手の家に入れて何もしないわけがないんだ。



私の家はそこまで大きくないし、少し声を張ればどこに盗聴器があろうとしっかり届くだろう。



まったく、プライバシーもなんもないな。



そう心の中で悪態つきつつも、唇は弧を描いていた。



小瀧くんにストーカーされることが、今の私の幸せなんだと思う。



…………そろそろ、私だって解放されたい。



机の中の、さらに奥に隠していた本を引っ張り出す。



それは古い写真アルバムだった。



小瀧くんからしたらお宝であろう、昔の私の写真がつまっている。



両親と、笑顔の私。



このアルバムは、私が小学生の頃で終わっている。



私の姿をカメラに収めたいと思ってくれる親は、もうどこにもいないからだ。



両親が私の前から姿を消し、私は施設か親戚の家かで生きることになった。



その時大ちゃんのご両親が、養子にしたいと申し出てくれた。



私が親とよく行っていたパン屋さんだった。



もともと私を甘やかしていた大ちゃんが、余計に私にべったりになった。



大ちゃんの両親のことは好きだ。



でも私を捨てた本当の両親は、私にとって憎しみの対象だった。



いつか復讐してやる、と決めてアルバムを残していたけれど、もうどうでも良くなった。



今が楽しい。昔なんてなかったことにすればいい。それでいいんだ。



だからこんなもの………



「こんなもの、もういらない…!!」



窓の外に思いっきり放り投げた。



アパートの窓の外は川が流れている。



ドボンという音が耳に届き、



………少しだけ、何か気持ちの悪いモノが心に残った。



〆.

11.非日常→←09.兄と小瀧くん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (608 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
799人がお気に入り
設定タグ:ジャニーズWEST , 小瀧望   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

tomoshige - はゆなさんめっちゃいい人ですね、 (2019年8月1日 21時) (レス) id: 0c3559fc26 (このIDを非表示/違反報告)
のんぴろーが欲しいお年頃。(プロフ) - このお話すごく好きです。 (2019年1月21日 20時) (レス) id: ceb3b02307 (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - ももさん» ありがとうございます!ご報告も感謝です。一応許可はしてるんですよ。こっちの作品を見ていない人が、その方の作品を見れば、同じように胸きゅんを味わえるじゃないですか?つまり私のことを知らなくても、私の妄想で萌えていただけるなら、それは嬉しいことなんです! (2018年11月14日 8時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - お塩塩さん» ああああありがとうございます(´;ω;`)自分でも何回か読み直してます(笑)ちょこちょこ文章書き直したりしてるので、また気が向いた時に読み返していただけると嬉しいです!5回も読み返すって……相当気に入っていただけたようでなによりです(つω`*) (2018年11月14日 8時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - とても面白かったです!あの、いきなりなんですけど、この作品パクられてました! (2018年11月8日 13時) (レス) id: 3b4fc1bd63 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はゆな | 作成日時:2018年10月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。