09.兄と小瀧くん ページ9
〆.
「………………誰?そいつ」
どちらが声に出したのか。
さあ………わかんないね。
小瀧くんと共に家に帰ると、兄が、玄関の前で待っていた。
重岡大毅、いい加減にしてほしいレベルのシスコン。
「クラスメートの小瀧くんと、私の兄の重岡大毅」
端的に説明すると、二人の目の色が変わった。
「おまっ……家に来るってことは相当な仲やろ!?許さへんからな!Aは俺と添い遂げるんや!」
「お義兄様!!小瀧望と申します、永久によろしくお願いします義弟として!!」
多分意思疎通は出来てないんだろうな。
「古本、大丈夫かな、重くないかな。結構量あるでしょ?」
大ちゃん(これも、私だけの特別な呼び方をねだられた結果である)を無視し、小瀧くんを家に招き入れる。
「あ、こんくらいなら余裕で持てる!俺、男やし!」
本当にいつも持ち歩いてるんだなぁ、チャック付きの真空パック袋を取り出して丁寧にしまい込んだ。
あ、ひとつ言っておこう。
私が見ていない隙に、小瀧くんは間違いなく盗聴器を仕掛けた。
だって怪しい動きしてたもん。まあいいけど。
小瀧くんが帰る間際、大ちゃんが「Aに指一本でも触れたらどうなるかわかってんか!!一生Aのこと俺の腕ん中閉じ込めるからな!指一本なら触ってもええぞ!」
という意味不明な宣戦布告をしたので、こいつにもさっさと帰ってもらった。
小瀧くんが指一本でも私に触れたら私の自由は奪われるのか。ぜひやめていただきたい。
とりあえず小瀧くんは私には触れないという約束を勝手に大ちゃんとしてました。勝手に。
そして案の定、持ち帰ってきたはずの破れたタイツはどこにもなかった。
〆.
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tomoshige - はゆなさんめっちゃいい人ですね、 (2019年8月1日 21時) (レス) id: 0c3559fc26 (このIDを非表示/違反報告)
のんぴろーが欲しいお年頃。(プロフ) - このお話すごく好きです。 (2019年1月21日 20時) (レス) id: ceb3b02307 (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - ももさん» ありがとうございます!ご報告も感謝です。一応許可はしてるんですよ。こっちの作品を見ていない人が、その方の作品を見れば、同じように胸きゅんを味わえるじゃないですか?つまり私のことを知らなくても、私の妄想で萌えていただけるなら、それは嬉しいことなんです! (2018年11月14日 8時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
はゆな(プロフ) - お塩塩さん» ああああありがとうございます(´;ω;`)自分でも何回か読み直してます(笑)ちょこちょこ文章書き直したりしてるので、また気が向いた時に読み返していただけると嬉しいです!5回も読み返すって……相当気に入っていただけたようでなによりです(つω`*) (2018年11月14日 8時) (レス) id: 0cb07950a3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - とても面白かったです!あの、いきなりなんですけど、この作品パクられてました! (2018年11月8日 13時) (レス) id: 3b4fc1bd63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はゆな | 作成日時:2018年10月27日 21時