14-4.ストラップと彼からの電話 ページ20
〆．
ストラップを見つけたのとほぼ同タイミングで、再びケータイが震えた。
「………っ、望？」
電話なんてかかってくるわけないと思っていたのに。
拒否のボタンを押すか悩んでいると、表示された時刻に目がいった。
もう日付が変わろうとしている。
日没前にここに来たから、もうかれこれ七時間近く探していたのか。
全然、そんなに経ったと思わなかったのにな。
まだ振り続ける雨からストラップをかばいつつ、もう一度画面に視線を落とす。
別れを切り出されるかもしれない。
………いいよ。
でも絶対に、このストラップは返さないからね。
「……………もしもし」
『A！！今おるとこから絶対動くな！！』
「へ？」
予想していた言葉と全然違って、変な声が出る。
よく分からず立ちすくんでいると、遠くの方から人影が全速力でこちらに向かっているのが見えた。
思わず手元のストラップを軽く摘む。
…………さすが、望。
機器なのに防水もバッチリなんだね。
その人影は速度を落とすことなく、私目がけて一直線。
「A！！！！」
「望、っ」
勢いよく抱き締められ、二人で地面に転がった。
しかしすぐに上半身を起き上がらせ、そして、
望は私の頬を叩いた。
「あほ……！！こんな雨の中っ、こんな夜中まで！！冷たぁなってもてるやんか！！無茶すんなや！！」
「だっ……だって」
「だってちゃう！俺がそれに盗聴器とGPS仕掛けてへんかったら……また変なやつに……襲われてたかもしれへんやろ………！？」
望が、泣いてる。
そして私のために、怒ってる。
「ごめん……。でも早く見つけたかったの、きっともう望は嫌になったかもしれないけど……。私は望のことが好きだから、大好きだから………。望がくれたもの、なくしたまま放っておくなんてできなくて……っ、」
寒さに、呂律も頭も回らなくなってきた。
「A……？Aっ、A！！」
「自業自得なの、ごめんね……」
私はストラップを強く強く握り締めて、瞼を閉じた。
〆．
14-5.ストラップと下心《望side》→←14-3.ストラップと彼女の所在《望side》
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林檎(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！ニヤニヤしながら読んでます笑更新頑張ってください！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 9baa2abd91 (このIDを非表示/違反報告)
みるくぷりん(プロフ) - 私、剣道部なのですが、ほんとに竹刀、防具匂います！クラスの友達にアンタこんなのつけてやってんの！？と、言われましたとさ笑 (2019年4月3日 22時) (レス) id: 5c6cbd628f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーき(プロフ) - これ好き (2019年3月8日 1時) (レス) id: b98f2652d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - WEST大好きで緑と青とピンク色寄りのオールジャス民です最高です (2019年2月23日 17時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
たぬき(プロフ) - 淳太くんと流星が主人公を取り合ってるのが見たいです！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: 9e0f7d62f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はゆな
| 作成日時：2019年2月14日 19時
