俺は大丈夫だから…。 ページ11
樹side
いつもの朝。バタバタと出かけていく兄たち。
樹)行ってらっしゃい〜!
「行ってきます」が返ってこなくたって、大丈夫。だって、
樹)北斗〜、保育園行こっか?
北)行く〜!
俺が声をかければ嬉しそうに微笑む北斗がいるから。ここ最近、兄たちは忙しいみたいで、ご飯を作っても、他の家事をやっても素っ気なかったり…。でも、
樹)(北斗が元気なら、俺も頑張らなきゃ!)
幼い北斗が俺の支えだった。だから俺は、大丈夫!…そう思っていたんだけど…
夕方。
大)ただいま〜!北斗〜!
帰ってくるなり大我兄ちゃんは、北斗に抱きついた。
北)んん〜!たーが、おかえり〜
大)樹、ご飯まだ〜?
樹)あー、ごめん!あとちょっと…先にお風呂入る?
大)じゃ、北斗!一緒にお風呂入ろっか!
北)んーん!じゅぃと入る〜(樹と入る)
大)樹は、まだご飯作ってるんだって!先に入らない?
樹)北斗ごめんな?先に大我兄ちゃんと入っておいで〜
北)…はーい!
この時、大我兄ちゃんと入るのをOKしなければ…と少し後悔することになる。この日くらいから、北斗は俺以外の兄ちゃんたちとよく風呂に入るようになった。
樹)(俺だけの北斗じゃないもんな…)
当たり前のことに気づいた寂しさが何とも言えない。
109人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:時雨 れう | 作成日時:2023年3月25日 16時