シャンプーだけの関係でも。 (ページ4)

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〆．

「おい！！」

「っ、痛い！お父さんやめて！！」

「あの女どこや！！」

「あ、あの女って、」

「あいつや！」

気のせいじゃない。

お父さんの暴力がエスカレートし、

妄想癖が悪化している。

「あの女が男と逃げたんやろ！！どこ行ったんや！絞めたる、俺をコケにしやがって！！」

「おと………さ、」

首を絞められ、ギリギリのところで離されたから酸素を求めていると

何の躊躇もなしにみぞおちにかかとが落ちてくる。

「くっそ！！あー、金寄越せ！！」

苦しくて、苦しくて、

いっそ死んでしまった方が楽なんじゃないかと思った。

だけど………

私は…………

振り向いてくれるはずもない重岡くんを、

唯一の救いとして思い浮かべるだけ。

「……また、来週会えるから…………」

彼がいなかったら、とっくのとうに私はここにいなかった。

重岡くんに会いたい、ただそれだけを願って

頭の中は空っぽなまま、また一週間を過ごした。

〆．